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そこそこな幸せで十分です  作者: 蒼川りこ
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64)プチ捜査会議

久々の平民組集合。

今回はエクレアも参加してくれた。


「シャワールームは誰でも入れるの?」

「まぁ…入ろうと思えば」

「女子のシャワールームに男子が入るのは難しいんじゃね?」

「まぁね。でもやろうと思えば出来ない事もないよ。授業中は誰もいないから」

「…でもリスクがあるし、やっぱり犯人は女の可能性が高いだろうね」

「プリナの推測だと、誰が狙われたのか分からないってこと?」

「うん。だってロッカーには制服しか置いてなかったから。そりゃあよくよく見比べてみたらサイズの違いはあるけどね」

「…でも誰の制服か確認する位ならいっそのこと3着全部汚しちゃった方が早い」

「確かに。普通は犯行現場に長居したくないよな。見付かる可能性もあるんだし」

「…そうなの。だから犯人の目的もターゲットも理由も色々よく分からない事だらけなんだよね」


エクレアが眉間を揉んで考えてる。皆も私もモヤモヤしてる。


「…泥はほとんど乾いてたんだよね?」

「うん」

「ただの泥で間違いない?」

「うん、たぶん。土の臭いしかしなかったから」

「泥が乾いていたとなると、恐らくプリナ達が着替えて更衣室を出た直後に犯行に及んだってことだろうね」

「そうだと思う」

「…だからプリナは犯人がクラスの人間じゃない、って考えてるんだよね?」

「うん。まぁ全員チェックしてた訳じゃないから断言は出来ないけど、少なくともダンスの授業に遅れて来た人はいなかったよね?」

「…確かにいなかったね」


ダンスの授業は広いホールで行われたしパートナーを探したり雑談してたりで室内はワチャワチャしてた。誰がいなかったとかは分からない。でも私達が着替えを終えてシャワールームを出てから授業が始まるまでにそれほど時間はなかったはず。


「3人の内誰でも良かった可能性がある、と」

「うん」

「パッと見で直ぐに誰の制服か分からない状況で、それでもプリナの制服だけに被害があった。つまりプリナだけを狙った可能性も依然としてある、と」

「うん…」

「だけど、直ぐに見分ける事が難しい制服を1着だけ選んで犯行に及ぶのは難しくて、普通なら急いでるだろう犯人なら3着とも犯行に及べば早く済むし、尚且つターゲットが分かりにくくなって好都合なはず。だからこの犯行はおかしい…って言いたいのね?」

「…そう」

「考えれば考える程よく分からなくなってきたよ…」


皆で頭を捻るがやっぱり意味不明過ぎて分からない事だらけだ。


「泥を付けたのも微妙だと思うの。刃物でバーッて切っちゃったりする方が楽じゃない?ドラマなんかでもヒロインのドレスが切り裂かれたりするじゃない」

「ああ…そうだね」

「…ここでドラマを出すんだ」

「なのにわざわざ泥を持ち込んでさ。ナイフとかを持ち込む方が簡単なのにね?刃物まで悪意がない人間なのか泥が好きなのか分かんないけど」


皆の前には汚れたままの私のジャケット。直ぐにクリーニングに出そうとした私をポリーが「証拠を残した方が良い」と止めたのだ。

…本当は皆の眼に、誰かから向けられた悪意を目の当たりにさせたくなかった。


「…確かにさ、プリナ達平民女子が高位貴族の男子とペア組んだのが気に食わない連中はいるよ?ほとんど下級貴族の奴らだけど」


メリザとポリーのパートナーから直接教えてもらったけど、彼らは平民に優しくしたかった訳じゃなかった。自分達を狙ってくるハイエナ女子を避けたかったんだって。貴族と平民との結婚は難しいけれど、下級とは言え貴族令嬢なら玉の輿を狙えるから。後々の面倒事を起こしたくないんだって。そうぶっちゃけてくれました。

まぁ彼らなりの打算は確かにあったんだろうけれど、それでも平民をパートナーに選んで、優しくダンスを教えてくれて、きちんとリードしてくれてるから、本音をぶっちゃけられても悪印象はない。むしろ清々しい。

本音を打ち明けてきても、彼らは私達を平民だと見下したりしないのだ。

日本でも「金持ちケンカせず」って言うもんね。本当に高貴な人はおおらかで器がでかい!

平民ガーとか言ってくるのは下級貴族達だ。


「今回のことシャルル様達には言わないの?」

「今のところは考えてないよ。さっき言ったように色々と微妙な嫌がらせなんだよ…」


ここは皆の意見が別れたけれど、私達も色々と微妙なイタズラを上手く伝えられそうにないので話をするのは一先ず保留ってことで落ち着いた。


「着替えにもボディーガードを連れてたら良かったね」

「うん。これからはそうするよ」

「そうだな。ひー達がいれば少しは安心だよ」


カロが私の頭を撫でる。


「今はとりあえず様子を見よう。今回限りの嫌がらせかも知れないしな」



せっかく皆平和に過ごせていたのに!

また皆の顔を暗くしちゃった…。


「私も気を付けて周りを見るようにするからさ、プリナもあんまり気を落とさないようにね」

「うん…ありがとう、エクレア」



今日はこれで会議終了。エクレアは部屋に帰っていった。平民組は残って更に作戦会議。



ターゲットは私だけなのか、それとも私達3人ともなのか。


犯人を誘きだすために私達3人はそれぞれ単独行動をしてみる事にした。





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