54)言霊ってあるんですね
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今日は森でピクニックだ!
メンバーは私、メリザ、ポリー、カロ、イルク、ウィル様、ダニエル様、シャルル様、セルゲイ様、ロベルト様の10名の大所帯。
私達平民組で行く予定だったけれど、イルクが念のため医者に私の外出許可を取りに行ったらウィル様とロベルト様と遭遇してしまい、ロベルト様が超駄々を捏ねて皆で行くことになったらしい。戻って来たイルクは疲れた顔をしていたので相当ごねたんだろうな…。
カロが私を抱っこして連れて行くと説明すると
「あれから筋力トレーニングしてるんだ!僕もプリナを抱き上げられるよ!」
と自信満々にシャルル様が言った。
ええ、抱き上げられましたよ。シャルル様、よく頑張りましたね!
…でも持ち上げられたけれど歩けなかった。
「私も鍛えて来たぞ!」
と今度はウィル様が私を抱えてみた。
…立ち上がれなかった。
「…ウィル様。背中に背負う方がご負担にならないかと。試されてはいかがでしょうか?」
とセルゲイ様に提案されて、今度はおんぶされてみました!
「紳士たるもの女性を運べなくては…!」
ぺしゃん。
「殿下!!?」
「ウィル様ぁ!お怪我はございませんか!?」
ウィル様には無理でした。
「ごめんなさい…。私が重いから」
居たたまれなくて謝ったけれどウィル様とシャルル様のプライドはいたく傷付いたらしい。
結果、私を運ぶ係は行きがイルクとダニエル様、帰りはセルゲイ様とカロに決まった。
…っていうか、私歩けますけど。
自分で歩くと言ってるのに男性陣だけで盛り上がって聞く耳を持ってくれなかった。
探検初参加のロベルト様はウッキウキだ。
前回よっぽど悔しかったんだね…。
遠足気分で沼まで歩いた。
「シロップ~!こんにちは!会いに来たよ!」
私が声を掛けて少ししたらシロップが沼の中から頭を出した。口にはリボン。でもいつもはしょんぼりしてるのに今日は目がキラキラしてる。
「な、なんだ!?これは…」
「大きい…!!ヘビか…!?」
シロップと初対面の人達は驚いていたけれどスルーした。慣れてもらわなきゃ困ります!
「シロップ!またリボン外れちゃったね!付けてあげるから沼から出ておいで!」
するとシロップは沼から両手を出した。
それはもう得意気に!
「ええ!?シロップ!!おててがあるよ!?」
それからシロップが全身沼から上がると足も生えていた。
「えぇ~!!シロップ~、あんよもあるの!?」
「………」
シロップは嬉しそうに両手を差し出した。
「そっか!おててにリボン付けて欲しいんだね!右手と左手どっちが良い?」
シロップ少し悩んで小首を傾げた後でお手をするように左手を出した。
「ふふ、左手ね!ハイ出来た!可愛いおててね~!」
私はシロップと両手を繋いでブンブン振って踊った。
「プリナ…?さらっと受け入れてるけど、シロップはもはやヘビではないぞ…?」
「ヘビって手足が生える事があるの…?」
振り返ると皆はビックリし過ぎて全員ムンクの絵みたいな顔をしていた。皆面白い!
「!…そう言えば前回ここに来た時にプリナがシロップに「角とか手があれば良いのに」って言ってた…!!」
「!!そうだ!確かにそんなこと言ってた!」
「えっ?私そんなこと言ったっけ?」
「言ったよ!確かに聞いたよ!」
「皆よく覚えてるね!すごいね!」
「言っただろうが!!やっぱりプリナのせいか!!!生き物の生態まで変えやがって!!」
私はシロップを抱き締めた。
「えぇ~?別にシロップに手足があろうとなかろうとシロップはシロップ!関係ないよ!」
「大違いだよ…」
何がそんなに問題なのか分からないけれど皆は頭を抱えていた。
「どっちでも良いじゃない。シロップはリボンを付けるためにおててを作ったんだよ!シロップは可愛いね!」
私とシロップはぎゅうぎゅう抱き合った!
そして部屋から持ってきたお見舞いの果物やお菓子を出した。
「シロップが好きそうなのあるかな?」
シロップは短いおててでメロンを取ると丸呑みした。
「ウフフ、シロップてば真っ先に高級品を選ぶなんて!大物ね!」
「大物には違いないが…」
誰かが突っ込んでいたけれど知りません!
きっとメロンが食べたかったのね。
シートを敷いて皆でお弁当やお菓子を食べていると、食べ物の匂いを嗅ぎつけたクロールにイグアナ、ホワイトタイガー親子もやって来た。寮から着いてきたネズミファミリーも揃って大にぎわいだ!
「私が大好きな仲間が勢揃いね!」
皆で仲良くご飯を食べた。
王子様達は森の住民の登場に顔が青くなったり白くなったりしてたけれど。早く仲良くなってね!
「みんな~。ここにいるロベルト様が聖樹を見たいんだって!誰か案内してくれるかな?」
私が相談すると森の住民達は丸くなって会議を始めた…みたい。イグアナやトラはそれぞれ別の聖樹まで案内してくれたもんね。
住民の話し合いが終わると皆で一緒に歩き出した。シロップも手足で歩くのが楽しいのかイグアナと同じようにノシノシ歩いて着いてくる。
「もう何が起こっても驚かないぞ…」
「僕も気を強く持ちます…!」
私はダニエル様におんぶされた状態で後ろを歩いていたロベルト様に話し掛けた。
「ロベルト様もさっきから驚いてますけど授業で森には何度も入っているでしょう?」
「あ、はい、そうですね。ただし狩猟は馬で森に入るのでいつも別の入り口を使います。万が一にも流れ弾が学園へ向かってしまったら危険ですから学園からはかなり離れてますよ」
「なるほど…」
途中竹やぶがあったり深い茂みを抜けたりして相当歩いた気がする。皆もだんだん無口になっていった。
森の住民達が立ち止まった。
「わぁ…きれい…」
「これが聖樹…!!」
「何て美しさだ…!!」
「すげぇ……!!」
「…とうとう見付けた…!!」
そこにはエクレアから聞かされた真っ白な聖樹が生えていた。




