表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そこそこな幸せで十分です  作者: 蒼川りこ
42/137

42)ついにイベント発生

一晩グッスリ寝た。

泣いてスッキリしたからか皆から小学生並と言われたショックなのかは判らないけれど、自分でも失恋からかなり立ち直れた気がする。

もうかりんとう先生と会っても平気な気がする。

目の腫れも一晩で治まったので安心して食堂へ行った。


「ごきげんよう、プリナ」

「エクレア様!ごきげんよう!」


私も「ごきげんよう」の挨拶に慣れてきたぞ!最初は口に出すのが恥ずかしかったけどね!お嬢様になった気分だ。



相変わらず皆の私への過保護振りは凄まじい。


「プリナ、プチトマトだよ、はい、あーん」

「プリナは肉の方が好きだよな?ほらタコさんウインナーだぞ~、あーん」

「プリナ!クロワッサンがすごく美味しいの!食べてみて!はい、あーんして」


…これじゃ本当に3歳児じゃない?

有名人になりつつある私を周りが生温い目で見てるよ。


「完全に餌付け成功だな」


呆れた声でカロが言った。


「ウィル様が真似したらどうするんだ?」

「これは私達の特権だから!」

「そうそう!ぽっと出のウィル様になんてさせるもんですか!」


私への過保護は皆の特権なんだね。

モグモグ。

イルクが寄越したブロッコリーが大きくてしばらく話せそうにない。


「きゃあ!プリナ、頬っぺたが膨らんでリスみたい!可愛い~!!」

「確かに小動物みたいだな」



エクレアやシャルル様のお陰で他のクラスメート達も割りと好意的に接してくれるなか主人公ミサキだけは相変わらず完全無視を崩さない。向こうが距離を取ってくれてるのは有難いので私達も放置してる。


「プリナ、次は音楽室だよ!遠いから早めに行こう!」

「うん!」


教室移動で階段を昇っているとロベルト様と擦れ違った。


「プリナさん!こうして校内で会うのは初めてですね。授業で何か困った事はありませんか?」

「あ、ロベルト様!…次は音楽なんですけど何の楽器を選択したら良いか分からなくて迷ってて…」


階段で大勢立ち止まると邪魔なので皆には先に音楽室に向かってもらった。


「貴族は幼少からピアノやバイオリンなど習いますからね。良かったら今度お教えしましょう」

「ありがとうございます」


立ち話を終えてロベルト様の後ろ姿を見送って歩き出そうとしたところで、ちょうど下から階段を昇ってきた人とぶつかった。


「キャッ!」

「わ、ごめんなさい!…あ」


ミサキだ。


「…こんなところで立ち止まっていたら邪魔でしょう!何考えてらっしゃるのかしら!ミサキ様、お怪我はありませんか?」

「すみません…」


私が悪かったので謝ったけどミサキは汚いモノを見るように私を見ただけで何も言わなかった。


「…皆さん。遅れてしまいますわ。早く参りましょう?」

「…シャルル様やエクレア様にちょっと優しくされたからってイイ気になるんじゃないわよ、この平民風情が!」

「ミサキ様はお優しいから何も仰らないけれど、あなたみたいな平民が貴族である私達と同じ立場だなんて思わないことね」

「平民と口をきくのも煩わしいったら!」


ミサキはもう取り巻きを作ってるんだ…。

うわぁ~悪役街道まっしぐらだね!


ミサキ達を見送っていると足元に何かが落ちているのに気付いた。


「あれ、これ生徒手帳だ」


拾って中の写真を確認するとプリクラ加工したかと思うようなマシマシのミサキだった。


「うわ、これ本人と別人レベルだけどミサキじゃん…。ここまで来ると写真サギだわ」


直接返したくないなぁ。また手を叩かれるかも知れないし。


「あれ、プリナじゃないか。こんなところでどうした?」


振り向くとウィル様、ダニエル様、セルゲイ様が階段を降りてきたところだった。


「あ、こんにちは。今落としも……。…!!!」

「?」


これ、きっとエクレアが言ってたイベントだ!!


私が拾わなければウィル様、ダニエル様、セルゲイ様の誰かが拾っていたに違いない!!


「プリナ、遅いから心配して…あれ、ウィル様達もどうされたんですか?」

「シャルルか。私達はここで偶然プリナと会っただけだ」


シャルル様も来た!


タイミングがズレていたらロベルト様の可能性もあった。

攻略対象キャラが全員出揃った。確か共通イベントだって言ってたもんね!


「プリナ?どうした?」

「プリナ、そろそろ授業が始まるよ?一緒に行こう。ウィル様、失礼します」

「…ああ」


シャルル様に促されて音楽室へと向かう。


「誰かに嫌な事でも言われた?」


シャルル様鋭い!!


でも私はそんなことより、確実にゲームが始まった事に衝撃を受けていた。


そうだった。ここはゲームの世界だ。

私達がどんなに抗おうとしてもゲームはシナリオ通りに進んでいってしまうのだろうか…。


「あ」


この手帳どうしよう!すっかり忘れてた!

私が拾っちゃったよ…。

チラッとシャルル様を見る。

今シャルル様に渡せばシャルル様イベントになるかも知れない。けど。


とりあえず後で職員室にでも届けよう…。


皆に報告しようと思いながら授業に向かった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ