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そこそこな幸せで十分です  作者: 蒼川りこ
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22)ゲームキャラとの面談

私達は食事を終えて皆で談話室へ向かった。相変わらずメリザとポリーに手を繋がれた状態で、カロとイルクが前を歩いて行く。初めて入った上の階は廊下に絨毯が敷かれて社会科見学で行った国会議事堂みたいだった。

案内された談話室に入るとロベルト様と緑の髪の人がいた。この人も攻略対象の人だ!


「ご足労頂きありがとうございます。改めて、私はロベルト・オニキスール。この学園の生徒会長をしています」


へぇー。この学園にも生徒会とかあるんだ~。


「そしてこちらがダニエル・エメラルドレアン。殿下の側近候補で本日は殿下に代わりお話を伺います」

「どうも。ダニエル・エメラルドレアンです。殿下も是非ともお話ししたいとの事でしたが生憎公務が入ってしまったので私が同席させて頂きます」


緑色の髪のダニエル様がペコリと挨拶した。確か誰かがこの人を攻略したと言ってたよね…?誰だっけ?それにしてもまたゲームキャラと知り合ってしまった…。

私達もそれぞれ自己紹介をした。何故か皆私の話し途中に一斉に自己紹介し始めたんだけど。皆イケメンと話したかったのかな?


「森の聖樹について知りたいとの事でしたが、先ずは聖樹を見付けた経緯から教えて頂けますか?」


ロベルト様がメインで話してくれるみたい。


「はい。えーと昨日森の中で迷子になって、そしたら茂みの奥に真っ赤な樹があって…」

「真っ赤!?」


ゲームキャラの2人がグッと身を乗り出して来たので若干引いた。


「見間違いじゃないのか!?」


ダニエル様ったらいきなり失礼ね!!口調も突然砕けたし。


「はぁ!?燃えてるみたいに真っ赤でしたよ!見間違えるハズないじゃないですか!!」


2人は顔を寄せ合ってヒソヒソ話す。


「確かに学園の森には聖樹があると言われています。ただ真っ赤だとは聞いた事がありません。誰も見た事が無いのではないでしょうか」

「えぇ!?あんな目立つ樹が!?」

「プリナさんはどうやってその聖樹を見付けられたのですか?」

「えーと…迷子になって困ってたらイグアナが案内してくれたんです」

「イグアナぁ!?」


またダニエル様。人をそんな胡散臭そうに見んな!!


「聖樹を見付けた後はどうされたんですか?」

「樹の中から赤い鳥が出てきて私を出口まで案内してくれて帰りました」

「赤い鳥!?」


今度はユニゾンだ。さっきから驚いてばっかりだな、この2人。


「それこそ見間違いじゃないのか!?」


もう、さっきからトコトン失礼だよ!


「炎が飛んで来たのかと思ったんですから見間違いじゃないです!!真っ赤な羽根だって持ってますし!!」

「羽根ですか?…あなた方も見たのですか?」


ロベルト様に聞かれて皆も俯きながら答える。


「は、はい!昨日ラウンジでプリナに戦利品だと見せて貰いました」

「本当に真っ赤で大きな綺麗な羽根でした。プリナが羽根ペンにしようかな~と言ってた位」

「羽根ペン!?」


暫く考え込んだ素振りを見せてロベルト様が私を見るとムカつく事を言い出した!


「…その羽根を譲って頂けませんか?」

「はぁっ!?絶対にイヤです!!」

「ちょっとプリナ…」

「だってその羽根は鳥さんがわざわざ身体から抜いて私にくれたんですよ!?落ちてたのを拾ったんならともかく、私のためにくれた物を他の人にあげたくありません!!」


するとダニエル様が


「王族の命令だと言ったらどうする?」


うわぁ最悪!!!何コイツ!!!


「王族って平民の宝物を強引にムリヤリ奪おうとするんですか!?そんな傲慢なの!?命令でムリヤリ言うこと聞かせようとするなんて最低!!!」

「ちょっとプリナ!」


皆が止めたけれど私のムカつきは収まらない!私はキッとダニエル様を睨む。


「ダニエル、言い過ぎです。…プリナさん、大変失礼しました。今のは失言でした」


ロベルト様が頭を下げたので私も一先ず落ち着く。


「赤い鳥と言うのはこの国の伝説上の業火の鳥ではないかと思ったんです。近付くと炎に焼かれてしまうと言われています」

「じゃあ違うんじゃないですかね?そんな恐ろしい鳥じゃなかったですよ?そんなに羽根が欲しいなら鳥さんを探してお願いしたら良いんじゃないですか?優しいコだったから頼めばくれるかも知れないですよ」


まだムカつきが収まらないのでキツい言い方になってしまう。


「私をその聖樹まで案内しては頂けませんか?」

「ムリです!!」

「お前さっきから…!」

「ダニエル、落ち着きなさい」


ロベルト様がダニエル様を窘めて


「ムリとはどう言うことでしょうか?」

「だって。迷子だったんですもん。行き方なんて分かりませんよ!イグアナさんに頼めば案内してくれるんじゃないですか?」


嘘なんてついてないもん!!本当だもん!!


「…正直お話全てを信じる事は出来ませんが、嘘をついているようにも感じません」


本当の事しか話してないからね!


「…良かったら日を改めて殿下も交えてお話しさせて頂けませんか?」

「えぇ!?イヤですよ!!私ただの平民なんですよ!?偉い人となんてお近づきになりたくないです!!!私の話を疑うなら森に行って勝手に調べて下さい!!」


これ以上ゲームキャラと知り合いたくない!!頑張ったよ、私!!皆を見ると何故か目を逸らす。酷くない?


「では必ずお返ししますのでその羽根をお借りすることは出来ますか?」

「貸すだけなら良いですよ?絶対に返して下さいね?」

「もちろん、お約束します」

「じゃあ今から私の部屋に取りに来ますか?」

「いえ、それは…。私達が直接女性の部屋に伺うのは問題になりますので」


ま、それはそうか。大騒ぎになるよね…。

結局この後従者さんが取りに来ることになった。



面談?が終わった談話室の帰り。


「はぁ~緊張したぁ~」

「あれで!?」

「プリナってば貴族に楯突くんだもの。寿命が縮まるかと思ったよ」

「そうだよ。オレらの方がよっぽど緊張したよ」

「でもさ、王子様との面談は断固拒否したよ!偉くない!?」

「王子様からの誘いを断るとか、プリナってマジですげぇよな…」

「え、だってこれ以上ゲームキャラの人達と関わり合いたくないでしょ?頑張ったから皆褒めてくれると思ったのに…」


しょんぼりしてるとカロに頭を撫でられた。


「そうだよな、ごめん。よく頑張ったな、プリナ」

「そうだね、ごめんね、プリナ」

「私もごめんね。プリナ頑張ってたのにね」


何だか疲れたので私は皆と別れて部屋に戻る事にした。窓を開けておいたらカラスは居なくなっていた。

少ししてから従者さんが部屋に来たので羽根を渡した。宝石箱みたいな立派なケースに仕舞われてちょっとびびった!まぁ大切にしてくれるんなら良いか。


ランチの後は皆で学園の聖樹を見に行くことになった。赤い樹はまた見ることが出来るのかな?


ベッドに入ったら起きられそうになかったのでブランケットを持ってきてソファーで横になる。


「ダニエル様って感じ悪かったな…」


誰が攻略したんだっけ?私がゲームするとしたら絶対にあんなヤツ選ばないぞ!


メリザ達が迎えに来てくれるまで私はそのまま転た寝した。





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