131)村は平和です
私は朝早く起きて、ニワトリにえさをやって朝ごはんを皆で食べてから、シロップに乗って領主様のお屋敷に向かった。
カロとイルクは父や兄と一緒に精霊祭の準備に出掛けて行った。
馬車だと1日かかる領都もシロップなら2時間で着いた。
初めて来た伯爵家は王都のエクレアの家位の立派な建物だった。
「これはこれはプリナ・リンカさん。お元気そうで何よりです。王都での生活はいかがですか?」
学園まで付き添ってくれた方が出迎えてくれた。
「お陰様で毎日楽しく過ごしてます!」
「リンカさんは成績優秀だと学園から評価を頂いていますよ。ゼノンド領としても鼻が高いです」
「ふふ、光栄です」
応接室に案内されてお茶を飲んで領主様との初対面だ。
王子様や王様にも会ってるんだから大丈夫…な~んて事はなく、メチャクチャ緊張する…!
「やぁ。君が我がゼノンド領の期待の星?」
ドアが開いて20歳前後の男性が入ってきた。
笑顔が胡散臭い人だな……。
「初めまして。プリナ・リンカです。領主様のお陰で王立学園で学ばせて頂いています」
「父も風変わりだからね。僕はゼノンド伯爵嫡男のドンマイルだ。僕も王立学園卒業生だよ」
「そうでしたか」
「僕の学年には第一王子がいて賑やかだったよ。君は第二王子と同学年かい?」
「そうですね、ウィル様にはとてもお世話になってます」
「ウィル様!?君は王族と面識があるのかい!?」
「はい。ウィル様とはお友達ですよ」
「平民の君が…!?」
「ウィル様とは身分に関係なく親しくさせてもらってますよ。学園祭では王様と王妃様ともご挨拶させて頂きました」
「なんと……!!」
ちょっと上から目線だった伯爵子息の私を見る目が変わったようだ。
そこに執事らしきダンディーな男性がやって来た。
「お待たせ致しました。主人のゼノンド伯爵が参りました」
私は席を立ってカーテシーをした。
貴族のマナーもちゃんと学んでますからね!
「お初にお目にかかります。プリナ・リンカと申します。ゼノンド伯爵様には多大なるご配慮を頂きまして…」
「堅苦しい挨拶は要らないよ。どうぞ楽にして下さい」
「はい」
初めて会った領主様はとても穏やかな渋いイケメンだった。息子とは大違いだね!
「君のことは学園からも報告が上がっているよ。怪我して入院したりしながらも大変優秀な成績を修めているそうだね」
「ありがとうございます」
「奨学金は足りているのかな?あまり使ってないね?息子達は追加が必要だったのに」
「学園からも支給されてますし充分です」
「そうか。学校生活は楽しいかな?」
「はい!とても」
それから学園生活などを話して領主様との面会はとても和やかに終わった。
その後私はお願いして厩舎に行った。
「スア~!!久しぶり!!元気だった?」
学園まで連れて行ってくれた牝馬のスアに再会出来て嬉しい!
スアは私を覚えていてくれて凄く喜んでくれた。
「プリナ・リンカ嬢」
「?」
また伯爵子息が話し掛けて来た。
「君の学年には……ローレンガルム伯爵令嬢がいるよね?」
「エクレア…様のことですか?」
「!君はローレンガルム伯爵令嬢とも知り合いなのか!?」
「はい。クラスメートです。ドンマイ…ル様はエクレア様をご存知なんですか?」
「社交界デビューされたからね。王都での夜会でお見掛けした。すごく美しい女性だった…!」
はは~。素のエクレアを知ってるからアレだけど、エクレアも美人だもんね。
仲良しだとは言わないでおこう!
「エクレア様には婚約者がいますよ?」
「……知ってる」
ですよね。
もしも良い人だったら考えてあげても良かったけれど、このドンマイさんはあまり好印象じゃないから放っておこう。
「ローレンガルム伯爵令嬢に手紙を書いたら受け取ってもらえるだろうか?」
「止めた方が良いと思います。婚約者がいる方に横恋慕なんてエクレア様に迷惑がかかります」
「………そうか」
ガッカリしてるドンマイさんを放置して挨拶してから伯爵家を出てヒルド村に帰る。
王都にいる私には領都位の都会はそんなに興味ないし!
家に帰ってお昼を食べたらカロとイルクと森に行こう!




