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そこそこな幸せで十分です  作者: 蒼川りこ
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128)冬休みの過ごし方は

今日は2学期の終業式。

地元が遠い生徒は午後には寮を出るので朝から慌ただしい。


「プリナ、精霊祭は王宮で過ごさないか?」

「ウィル様、お誘いありがとうございます。でも私は帰省するので」

「そうなのか……。プリナは夏休みは帰省しなかったもんな。1ヶ月も会えなくなるのは寂しい」

「プリナに王宮の精霊祭を見せたかったな~」

「ふふ、また機会があれば是非」


皆で講堂に向かいながら冬休みの過ごし方について話した。王子様達は王都で過ごすみたい。


「そうか。プリナの姉君が結婚式を挙げるのか…。私もご挨拶に伺った方が良いだろうか」

「はい?」


ウィル様は何故か真っ赤だった。


「いや、プリナの入院中にご家族に簡単にはご挨拶をしたが、この際きちんとご挨拶しておいた方が良いかと思ってね」

「イヤイヤイヤ!田舎の平民の結婚式に王子様が出席したりなんかしたら村中大騒ぎですよ!!」

「そうだぞ~。まだ早いって!」

「そうだよ。だいたいウィルにはガブリエラ嬢という婚約者がいるじゃないか」

「そうだな、気が早いと僕も思う」

「そ、そうか。未だ早いか。…そうだな、こういう事はきちんと手順を踏まなければ……」


何の手順でしょうか。

ウィル様は時々訳が分からない事を言うね。


「今日のパーティーは参加するのか?」

「私達は平民なので不参加ですよ~」

「え、またプリナと踊れると思ってたのに!」


シャルル様がガッカリしてくれた。


「皆さん婚約者と参加するって聞きましたよ?私と踊ったら顰蹙買っちゃいますよ」

「僕はプリナと踊りたいんだ。周りなんて気にしないよ」

「オレもプリナと踊りたかったな~」

「ダニエル様もありがとうございます!」

「それじゃ今日にも寮を出るのか?」

「今夜は私達パーティー不参加組でプチパーティーする予定です!」

「え、何それ!?オレも行きたい!学校行事なのに貴族ばっかでつまんねーんだよなぁ」

「ダニエル様も貴族じゃないですか」

「オレは婚約者が居ないからご令嬢達に狙われて大変なの。肉食獣に囲まれた憐れな子羊なの」

「ふふふ」


ダニエル様は気さくで優しいから人気あるだろうな。

ちなみにセルゲイ様にもシャルル様にも婚約者はいないらしい。パーティーで女の子達に囲まれてる姿が想像つく。



「ポリー嬢」


クラスの最高位の公爵令息がポリーを引き留めた。あらら、彼は本気でポリーを狙ってるのかしら?


私達はポリーを置いて先に講堂に向かった。


「プリナちゃん」

「かりんとう先生!」


かりんとう先生が私を呼び止めた。


「プリナちゃんは期末テストよく頑張ったね!入院したり大変だったのに偉かったね」


ニコニコ私の頭を撫でて褒めてくれた。


「もう1人の僕のお姫様に会わせたいなぁ。良かったら今度我が家に遊びにおいで」

「はい。機会があれば…」


先生のお姫様に会ってみたい気持ちはある。絶対に仲良くなれる自信がある!

…複雑だけれど。


「プリナ様」

「!?」


もうやだこの人。


「プリナ様のお陰で流行り病も落ち着きましたし、私も冬休みは薬草研究をしようかと思いましてね!つきましては是非とも我が家に招待させて頂きたいと思いまして!」

「…………」


ツーン。


「プリナ様ぁぁぁ!是非とも私の聖女を家族にも紹介したいのです!」

「ロベルト狡いぞ!そんなこと言うならオレだってプリナを家に招待したい!!」

「僕だって!!」

「私は既に両親を紹介済みだよ…フッ」

「ウィルのは偶々だろーが!!」

「うふふ、プリナさん達は夏休みに我が家に泊まって頂きましたのよ?もちろん両親に紹介済みですわ!」

「エクレア嬢…!」


何故かエクレアが勝ち誇った顔で言う。

そして王子様達は何故か悔しそう。

皆さん何を言い争ってるんだろうか。



「…ライバルいっぱいだな」

「カロ、頑張れ」

「………うるさい」





終業式が終わって寮に帰った。


私とポリーはパーティーのご馳走作り、他の皆は王都まで買い出し中。


「プリナ、あのね…」

「どうしたの?」


私は料理中の手を止めた。

ポリーが顔を赤らめる。


「公爵子息様がね、精霊祭に招待して下さったの」

「えっすごいね!!さっきの、今夜のパーティーの話じゃなかったんだ!」

「ああ、うん…それは断ったの」


やっぱりパーティーにも誘われてたんだね。

公爵子息はポリーに本気なんだね。


「…だから、プリナの実家に行くのは…」

「ポリーがそれで良いなら良いよ。公爵家に招待されたって言う方がご両親も納得するでしょ」

「…ありがとう」


照れたポリーはメッチャ可愛い!!

恋する乙女の顔だ!


「……ねぇねぇ、ずっと聞きたかったんだけどさ」

「なあに?」

「学園祭のお芝居で……ほら、王子様とのキスシーン。……本当にした?」

「!?」


ポリーが真っ赤になった。


「…………内緒」

「その顔じゃ説得力ないよ~」

「もう!からかわないで!!」


商家のお嬢様とは言え平民のポリーと公爵子息との恋は多分色々と壁もあるだろうけれど、どうかポリーには幸せになって欲しい。


ポリーは本当に良い子だから。

ポリーが傷付かないように祈るばかりだ。





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