124)薬草採集の旅~1~
私達は一度寮に戻り出発準備をした。
「プリナ、薬草採集に行くんだって?」
「危険な目に遭わせてすまない!」
ウィル様達が集まってきた。
「国の一大事だと言うのに…君たちに任せきりで申し訳ない」
「気にしないで下さい!出来る人が出来る事をすれば良いんですよ」
「プリナは本当に優しい良い子だな」
珍しくダニエル様が私の頭を撫でた。
「僕も一緒に行きたい」
「お気持ちだけ。定員オーバーなので」
「ガオ」
私達はシロップに乗ってトパーズ山へ行くつもりだ。いくら大きくなってもらっても人数増やすのはシロップが可哀想。
「薬草の群生地が見付かったら報告します!そしたら人員を派遣して下さいね」
「ああ、分かった。…気を付けてな」
「はい」
私達平民の仲間とロベルト様がシロップの背中に乗った。
「プリナ・リンカ様」
神官の衣装を纏った人がやって来た。
フルール様のような柔和な雰囲気の人だ。
「私はホーリオと申します。フルール様の元で神官長補佐を務めていた者です」
「フルール様の……」
「はい。プリナ様のことはフルール様より伺っております」
ホーリオ様は手を翳して呪文を唱えた。
「これでドラゴンは人目につかないようにいたしました。どうぞご安心を」
「!ありがとうございます!」
「道中お気を付けて」
「はい、行ってきます!」
私達は飛び立った。
「気持ち悪い…………吐きそうです………」
「ロベルト様、しっかり~!!」
私達はジェットコースターに乗ってる気分で前世で飛行機にも慣れているけれど、ロベルト様は空中飛行も初めてでシロップのスピードに身体が着いていけないようだ。
「もう少しスピード落としますか?」
「…いいえ……。私の事は気にせず…………うぷ」
「空で吐かないで下さいね!?」
「…………善処します…………おぅっぷ」
念のためきたろう袋を渡した。
前世の人間でも乗り物に弱い人は弱い。
帰りはロベルト様には陸路にしてもらおうか…。
「見えて来ました…。あれが…トパーズ山です……」
シロップのスピードでも二時間はかかって目指す山が見えてきた。
頂上には雪が積もっている。
もとは火山なのか、木々が少ない気がする。
私達は山の麓のシロップが降りられそうな場所に降りた。
ロベルト様はフラフラになりながらも何とか自力で歩けた。根性だね!
シロップには小さくなってもらって肩に留まってもらった。
「よし!探検開始!」
先ずは近くにいた鳥達に薬草について聞き込みを始めた。
「なるほど…。三合目付近の池の周りね」
「こっちの鳥さんは反対側の五合目付近で見掛けたって!」
「この鳥の情報だと隣のメノウ山との境にある池の周りに生えてるってさ」
「オレが話した鳥は麓の森の奥で見たことあるって」
「見事にバラバラだね………」
目撃情報が異なり目的地を何処にするか迷う。
「…別行動する?」
「……足がないのがね………」
「単独行動は危険だろ」
すると沢山の渡り鳥が飛んできた。
トパーズ山の薬草は鳥達が集めてくれることになった。
「じゃあ私達人間は森に行ってみようか」
「そうだね。麓だと他の人間に見付かるかも知れないし」
森まではトパーズ山の住民の熊が運んでくれると申し出てくれたので、私はカロと、メリザとイルク、ポリーとロベルト様のペアで皆それぞれ熊の背中に乗った。
「金太郎になった気分…!」
「マサカリは担いでないぞ~」
「熊って速いの?」
「もっとモフモフかと思ってた……」
「プリナ、落ちるなよ!」
「うん!じゃあ熊さん、よろしくお願いします!」
熊が全速力で駆けるとメッチャ速かった!!
鳥の案内で森の奥まで進むと薬草が見付かった。
「あ、こんなところに聖樹!」
「この樹も聖樹なんだ……」
「プリナ様は聖樹を見付ける天才なのですね…!」
「ロベルト様、次もし様呼びしたら1時間は口聞きません!」
「!?そんな…!!」
私は聖樹にご挨拶して薬草をもらう事を伝える。
皆で手を繋いでパワーを籠めて手を天に翳すと、辺り一面に薬草が増えた。
「じゃあ、採りすぎないように気を付けて薬草を集めよう」
「リョーカイ」
「オッケー!」
「畏まりました!」
かごいっぱいになる位まで集めて山の麓に戻る。
「これを王都で増やせたら良いのだけど…」
「学園の森に植えてみたら?」
「元々森に生えてないのに生態系崩しちゃわない?」
「……プリナって何処か真面目だよね」
増やすのは神殿に任せて、もう少し薬草を集めよう!




