122)建国祭
今日は建国祭。
国民の祝日なので学校もお休みなので、私達は王都のお祭りに行く事にした。
ウィル様達高位貴族の皆さんは王宮でパーティーらしい。
私達もお誘いを受けたけれど街のお祭りの方が興味があったので断った。
「ほら、下駄出来たぞ!」
「やった!ありがとう、カロ!」
「可愛い!」
私達はメリザが作ってくれた浴衣にカロが作ってくれた下駄で街に繰り出す。
この世界では珍しい装いに街の人々から注目を浴びてる。
「この季節だと浴衣はちょっと寒いね~」
「浴衣は夏物だからね!やっぱり着物を作らないと!羽織もいるね」
「成人式でよく見かけるモフモフの襟巻は?」
「あれ欲しい!!着けてみたかった!」
「桃子さんは成人式に振り袖着たの?」
「着たよ~!レンタルだけどね」
お祭りは前世のような賑わいで屋台も沢山出ていた。
私達は串焼きを食べたり、焼きもろこしを食べたり、りんご飴を食べたり、ベビーカステラみたいなお菓子を食べたり…食べてばっかりだな!
ふと雑貨屋の前で立ち止まる。
可愛いリボンや綺麗な石が付いたアクセサリーが売っていた。
私は横のメリザに話し掛けた。
「ねぇ、これ可愛い!お揃いにしない?」
「…どれ?」
「!?カロ!?」
隣にいたのはメリザじゃなくてカロだった。
「どれが欲しいの?」
「えっ…えっとね……」
女の子同士でお揃いにしようと思ってたから、カロでも身に付けられるものは考えてなかった!
「…迷っちゃって…選べないや」
「じゃあオレが選んでも良い?」
カロが真珠のペンダントトップの付いた華奢なチェーンのネックレスを手に取った。
「これが似合うんじゃない?」
「そっかな…?」
カロが私の首もとに当てて満足そうに微笑む。
「うん、これが良い。すみません、これ買います」
「へい、まいど~」
「!?いいよいいよ、自分で買うよ!?」
「いいから」
カロがお金を払うと私の後ろに回って着けてくれた。
「似合うよ。すげー可愛い」
「!……ありがとう」
カロに見つめられて何だか顔が熱くなってきた。
「わ、私もお返しするね!えっと…どれが良いかな…」
「お揃いにするんだろ?」
「!!」
「ペアアクセサリーをお探しならこれなんてどうです?」
お店の人が同じデザインのペンダントやブレスレットを見せてくれる。
「トップを変えれば色々アレンジ出来ますよ~」
「どれどれ…」
カロが真剣に選んでる。
「…ペンダントなら服の下に隠せるけど、プリナがペンダントだらけになっちゃうからなぁ…」
「ずっと身に付けられる方が良いよ!私はペンダント何個着けても平気だよ?」
「そっか……」
カロは文字の入ったシルバーのプレートのネックレスを手に取った。
「じゃあプリナはこれ」
「何て書いてあるの?」
「……適当に選んだから」
「適当なの!?」
「いいから。ホラ、着けてみて」
カロがメダルを架けるように私の首から下げた。
カロもお店の人もニコニコだ。
「……気に入った?」
「うん。カロが選んでくれたんだもの」
「!……マジで可愛い。すげー可愛い!」
カロが私の頭をギュッと抱き締めた。
私もお揃いのネックレスをカロに架ける。
カロはすごく幸せそうに笑って、自分のペンダントトップにキスをした。
「!」
何だかまた顔が熱くなった。
「お店の方にはもう少し高級なアクセサリーも扱ってるんで、良かったら店にもおいで!」
「はい!」
カロと手を繋いで店から離れた。
浴衣の襟元には買ったばかりのネックレスが見えてる。
カロはペンダントを何度も手に取っては嬉しそうに微笑む。
何だか照れくさい。
「プリナ!はぐれたかと思った!」
「メリザ!ポリー!…あれ、イルクは?」
イルクがイカ焼きを食べながら遅れて来た。
「2人のイチャイチャ振りを見せ付けられてヤケ食い中でーす」
「!?何言ってるの!?」
私は今度こそ真っ赤になった。
「…私達もプリナとお揃いにしたーい!」
「!じゃあ、もう一度お店に…」
「ダメ」
私が露天に戻ろうとするとカロに手を引っ張られた。
「これはオレの!2人だけのだから!!皆はダメ!!」
「え~!?ズルい!!私だってプリナとお揃いの欲しいよ!!」
「そうだよ!カロだけなんてズルいよ!!」
「…………じゃあ他のなら良いよ」
私達はもう一度露天に戻って、全員お揃いのブレスレットを買って身に付けた。
広場に行くと既に大勢の人でごった返しだった。
森に行く時にいつも持っていくシートを敷いて花火を待つ。
「こっちの世界にも「た~まや~!か~ぎや~!」とか掛け声があるのかな?」
「どうだろうね~」
生まれ変わって初めての花火にワクワクする!
日が落ちて肌寒くなってきたので皆で固まってブランケットをかけた。
ドーン!!
花火が始まった。
あちこちから歓声が上がる。
前世のように色鮮やかではないけれど、とても綺麗!!
「きれーい…!!」
花火に見惚れていると視線を感じて、横を見るとカロが私を笑顔で見つめていた。
「せっかくの花火なのに空を見ないの?」
「見てるよ」
私は何だかドキドキして空の花火に目を向けた。
今日1日ずっとカロは幸せそう。
私もカロが幸せそうに笑うと心が温かくなる。
でも風は冷たいのに何だか顔だけが熱い。
「…また来年も一緒に見ようね」
「ああ、来年も、再来年も、ずっとな」
「うん」
この国に生まれて、皆に会えて本当に良かった…!




