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そこそこな幸せで十分です  作者: 蒼川りこ
108/137

108)お礼に参ります(3)

翌日は本当に雨だった。

今日もフルール様に会えない……。


と言うことで、私はカロとダニエル様とで遅れた展示作品の制作に取り掛かった。

ちゃんと昨夜のうちに頼んでおきました!



オブジェは巨大な石の固まりと化していて、皆で彫刻を始める。


「プリナ、手を切るなよ?」

「慣れてるから大丈夫!」


ノミを入れるのが楽しい!


少しずつ形になっていく。


疲れたらキャンバスに向かって絵の制作。



「ダニエル様の新作は…これ、シロップを描いてくれたんですか?」

「ちげーよ!これは森の中に佇む王宮だ!風景画だよ!」

「どこが………?」

「プリナは未だ城を見たこと無いから分かんないんだよな?」

「そうかも……?」

「そう言うプリナの絵は…珍しくマトモな絵だな………人間か?」

「はい!フルール様を描きました!」

「フルール様…?」

「はい!神殿の神官長様です!」

「神官長?…そんな人といつ何処で知り合ったんだ?」


ギクッ。


「えっと…それは………」

「プリナ!石膏の粉が目に入った!」

「えっ!?やだ、直ぐに洗い流さなきゃ!!」


カロに付き添い手荒い場に連れて行く。


「…墓穴掘るなよ」

「!…助け舟出してくれたんだね!ありがとう」

「…すごく良い絵だな。オレも好きだよ」

「!! ありがとう…!」


私達は夕食前まで制作に没頭した。



カロに抱っこされて食堂に行った。

やっと食堂で皆とご飯が食べられる!


皆の前で抱っこされるのは恥ずかしかったけれど、退院直後の病み上がりだと知られているので周りは皆労ってくれた。


「プリナ!退院おめでとう!」

「シャルル様!お久しぶりです。色々とご心配おかけしました」

「大変だったね…。もう怪我は良いの?」

「はい!聖樹様と森のお友達のお陰です!」

「そうか、良かった…。ダニエル達から聞いていたんだけど、プリナの顔を見るまではやっぱり不安だったんだ」

「シャルル様はずっとお忙しいのですか?」

「うん。トルマリーノ嬢のクラスメートとしても色々事情聴取されたりね。ウィルは多忙だしダニエルは逃げるしね…」

「ダニエル様は何度かお見舞いに来てくれてましたもんね。逃げてたんですね?」

「!?僕は一度もお見舞いに行けなかったのに!?…あいつ……!!」


あ、マズイ。温和なシャルル様から邪悪なオーラを感じます。


「プリナさん!退院おめでとうございます!」

「エクレア様!お見舞いに来てくれてありがとうございました!」

「エクレア嬢もお見舞いに行ってたの!?」

「えっ?…えぇ、はい。私はプリナの友人ですもの」

「それじゃ、お見舞いに行けなかったのは僕だけ…!?」

「あ、いえいえ、ロベルト様もお見えになりませんでしたよ?」

「ロベルトは教育担当の主席だったから、僕と同じで色々することがあったんだよ…」


なるほど。


どうしよう…。シャルル様の黒いオーラが消えない…!気がする。


「シャルル様?私が復学したら教室で毎日会えるじゃないですか!」

「!そうだよね!?同じクラスなのは僕だけだもんね!」


良かった!シャルル様のオーラが消えた!気がする。


シャルル様は貴族のお友達のテーブルに去っていった。



『ねぇ、今夜プリナの快気祝いしよう!』

『…病み上がりだから禁酒だよ?』

『えぇ~?それはないよ!!』

『エクレアが酒瓶を置いてくから毎回片付けるの大変なんだからね!?前に寮母さんに叱られたんだから!!』

『それはゴメン!これからは後で侍女に持ち帰らせるよ!』

『飲み会は確定なんだ……』



食事を終えて、私の部屋に集まる。

エクレアは渋々禁酒を了承してくれた。

…でも紅茶にドバドバとブランデーを入れて飲んでたけれど。


私は神殿に行ってフルール様と出会った事を話した。


「ま~た、変な男に引っ掛かったんじゃないでしょうね!?」

「も~違うから!!フルール様はそんなんじゃないから!!フルール様はお父さんとお母さんとお兄ちゃんと先生を全部ひっくるめた感じなの!!」

「…………分かるようでよく分かんない」

「とにかく!エクレアも一度フルール様に会ったら一目で好きになるよ!」

「…みんなの見立ては?」

「うん!プリナが一目で好きになったのが分かる!すごく素敵な人だったよ!」

「うんうん!大人の包容力って言うの?すごーく素敵な人!!」

「森の住民達にも好かれてたしなぁ」

「………カロの見立ては?」

「ヤバい。人間的に敵わない」

「!?カロ、頑張れ!!負けるな!!」

「そうだ、諦めるな!!プリナはお子さまだ!!」

「そうそう!プリナはまた絶対報われないから!!」

「って言うか、まだプリナの恋は始まってないから!!……多分」


「ねぇ、さっきから何の話してるの?何だかすごく失礼な事言ってない?」

「私達はみーんな、プリナが心配だって話だよ!」

「?」



皆とのお喋りはとても楽しかった。

私はちゃんと皆の元へ帰って来れたんだなぁ…………。



「明日は晴れるね」

「…うん!」



明日は癒しの聖樹様に会いに行こう!





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