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そこそこな幸せで十分です  作者: 蒼川りこ
105/137

105)仲間への報告

私が胸の支えが下りて軽い足取りで病院へ戻ると、メリザ、ポリー、カロ、イルクが既に病院に来ていた。


「みんな!今日も来てくれてありがとう!」

「プリナ!ご家族の見送りに出掛けてたんだって?ずいぶん遅かったね」

「ご家族は地元に帰ったのか?」

「あ、あ~うん」

「?」


私は寝間着に着替えてベッドに戻った。


「いくらミサキが居なくなったからって1人で外出なんて危ないだろ?」

「ごめんなさい…」

「まぁ家族と久しぶりに会えたんだから仕方ないけど…未だ怪我は完治してないんだし無茶すんなよ?」

「…ごめんなさい」


直ぐに夕食が運ばれて来たので、皆と一緒に食べた。

言ったら怒られるかも知れないけれど、皆に隠し事をするのも嫌だった。それにフルール様の事を聞いて欲しかった。



「…実はさ」

「うん」

「…今日ミサキを見てきた」

「………………………はい?」

「神殿まで行ってきたの」

「…………!?」


皆は怒る怒る。

そりゃそうだよね。


「何考えてんの!?未だ怪我も治ってないのに1人遠出して!!しかも神殿に行くとか!!」

「そうだよ!!何かあったらどうすんだよ!?」

「何度も危険な目に遭ってるのに!!もう、私達の気も知らないで!!!」

「……ケルルート様に会いたかったのか?」

「…………うん」


カロの言葉に皆が急にシーンとなった。



「あのね、そこですごく素敵な人と知り合えたんだ!その人のお陰で色々吹っ切れたの!」

「素敵な人…?」

「うん!フルール様っていう神官長様で、ケルルート様の事を謝罪してくれたよ」

「え?また男の人?」

「そうだよ」

「……………また惚れたりしてないよね?」

「もう!フルール様はそんなんじゃないから!恋とかそういうんじゃなくて、全幅の信頼を置ける人と言うか、聖樹様みたいな人だったの!!」

「……本当かなぁ」

「私はフルール様に救ってもらったの!!あの人が居なかったらミサキへの嫉妬で気が狂ってたかも……」

「プリナ………」


私はフルール様にもらったネックレスを握り締める。


「遠くから見ただけだけど…ミサキもケルルート様もすごく幸せそうだった。2人とも穏やかで笑顔で…別人みたいだったよ」

「……………そう」

「2人を見てたら何だかすごく苦しくて、悲しくて、悔しくて…動けなかった私にフルール様は声を掛けてくれて、ずっと私の話を聞いてくれたの」

「……………そっか」

「とっても優しくて温かくて、本当に素敵な人だったの!お日さまみたいな笑顔だったよ」

「…………プリナはそんなにもケルルート様が好きだったのね」

「そう…なのかな?」


ポリーが私達にお茶を淹れてくれて、カロは私をソファーまで運んでくれた。


「あのね、フルール様が私がもしも胸が痛くなったら呼んだら直ぐに来てくれるって言ってくれたよ」

「へぇ………」

「皆にも紹介したいな」

「…うん。会ってみたい……」



私はネックレスを両手で握り締めて祈る。


フルール様。私の大切なお友達をフルール様に紹介したいです。

森にも一緒に行きたいです。

またフルール様に会いたいです。


フルール様の事を考えると胸が温かくなる。



『プリナさん?無事に帰れたんですね』

「えっ、フルール様!?」

「!?ど、どうしたの?突然……」


フルール様の声が聞こえた!!

ビックリして部屋を見回すけれど、当然みんな以外にお客様はいない。


「プリナ?いきなりどうした?」

「今、フルール様の声が聞こえた…」

『プリナさんが私を呼べば声が届きますよ』

「本当ですか!?いつでも!?」

「プリナ?」

『はい。私はいつでもあなたの側にいます』

「フルール様……」


皆にはフルール様の声は聞こえていないようだ。

私が独り言を言ってるようにしか見えない。



『プリナさんが元気になったら森へ案内して下さいね。今は早く怪我を治すことです』

「はい!」

『プリナさんの元気な声が聴こえて良かったです』

「はい!もう大丈夫です!早くフルール様にお会いしたいです!」

『ふふ。ありがとうございます。先ずは身体を治す事が一番ですよ。あなたにはあなたを大切に思う人達がたくさんいることを忘れないで下さい』

「はい…!」

『今日はたくさん泣いて疲れたでしょう。早く休んで下さいね』

「はい!分かりました!」



「…ねぇ。プリナとその…フルール様はテレパシーが使えるの?」

「そうみたい!フルール様はすごいね!」

「……プリナが元気になったなら良かったよ」

「うん!」


私はみんなの顔を1人1人見つめて深くお辞儀をした。


「いつも心配してくれて、本当にありがとう」

「よしてよ!私達がプリナを心配するのは当たり前なんだから!」

「そうだぞ~。でもあんまり心配ばっかさせんなよ?本当にハーネス着けるぞ?」

「う……気を付けます」

「そうしてくれ」


カロは私をベッドまで連れて行って、いつものように頭を撫でてくれた。



私は皆が帰ったあと、お見舞いの品としてもらったキャンバスに絵を描き始めた。

今の幸せな気持ちを残しておきたい!



早く退院して、フルール様に大切なみんなと、それから森のお友達と聖樹様を紹介するんだ!!



私はフルール様に早く休むように言われた事も忘れ、夢中で絵を描いた。

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[一言] プリナのおバカ!!
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