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まさかミケ猫 習作短編・中編

大豆学園へようこそ

 聖大豆王国。

 数々の大豆製品が暮らすこの国で、私は豆腐族の族長の長女なんていう立場です。私達の種族はみんなメンタルが弱くて、少し何かと言われただけで泣き崩れてグチャグチャになってしまいます。

 幸い私は木綿種に生まれたものですから、みんなより多少は形を保持できます。


「豆腐ちゃんおはよー!」


 学校につくと、親友の油揚げちゃんが元気に話しかけてきました。油揚げちゃんは胸が小さいことに悩む可愛い16歳。


 クラスメイトはみんな面白い子ばかりです。

 ボインの厚揚げちゃん。その胸元を睨む、ぺったんこの油揚げちゃん。病的に痩せた凍り豆腐ちゃんに、いつもドライなおからちゃん。

 このあたりが私の仲のいい友達です。


「やぁ、豆腐ちゃん」


 爽やかに話しかけてきたのは醤油くん。

 彼は誰とでもすぐ仲良くなるイケメンで、味噌くんと並ぶプレイボーイです。きっと私のことも、数ある大豆製品の中のひとつくらいにしか思ってないんだろうな。


「きゃー、醤油くんの醤油かけてー!」


 学校ではよく黄色い歓声が飛びます。

 さぞかし爛れた学園生活を送ってるんだろうな、なんていうのは勝手な想像かもしれないけれど。


「油揚げさんが貧乳だったら……私は何よ……」


 影の薄い感じでボソボソ呟くのは、ゆばちゃん。

 彼女の胸は油揚げちゃん以上に……。

 いや、この話はやめよう。


「おはよう、豆腐ちゃん」


 あ、枝豆くんだ。

 彼は私の幼馴染で、そんなにイケメンではないんだけどみんなに好かれている人気者です。最近は煮豆くんや納豆くんと仲良く遊んでるみたいなんだけど……。

 醤油くんは確かにかっこいいんだけど、時折キュンとしちゃうのはむしろ──。


「大変だー!」


 豆乳くんときな粉ちゃんが混ざり合いながら教室に入ってきました。もう、朝からイチャイチャするのはやめてほしいですよね。


「大変なんだ。アメリカの新しい貿易政策のせいで大豆農家様の収入が落ち込んでる昨今なのに、先日の台風の影響で大量の土砂が大豆畑に入り込んで収穫量が確保できなさそうなんだ」


 えー、というみんなの声。

 それは大豆農家様たち困ってるだろうな。



 この物語は、豆腐ちゃんを中心に国立大豆学園で巻き起こる様々な騒動を綴った青春ラブコメディである。

お題:大豆製品の擬人化でした

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― 新着の感想 ―
[良い点] 擬人化で大豆製品の特徴を、上手く人の特徴に変化させられていて面白かったです。 [一言] この物語は、色々な展開が出来そうで読んでる人の想像力を掻き立てますね(^∇^)
[良い点] 読み易かったです。 [気になる点] なぜ大豆製品? [一言] お時間があれば、私の小説も読んでみてください(^^/ https://ncode.syosetu.com/n4282ei/
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