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04 秘められた能力

「でもなぁ、わからないってことはある意味、指令通りなわけで、そのまま引き継いでも問題が無い。」

「うーん、そういえば、名前を無理に聞かないこととは言われたわよね。」

しばらく結論も出なかろうとぽけ~っとしていたら展開が変わっていた。

「え?」 驚いて声を上げるあたし。


「つまり、お嬢ちゃんがこのあたりで名前も持たずに居るってことが事前に知らされてたってことだ。」


「えええー?」

話が見えない。でも、ある意味協調路線なわけで万事おーけーというレオの言い分もわからなくも無い。そもそもあんなところに放り出されたのも、その近くで名無しの家出娘か何かの類を探す任務についているメンバー。誰かしらからの関与があったと疑うのも納得のいく話だ。偶然にしてはできすぎている。そこまで状況がそろっているのであれば彼らを動かした誰かと、あたしの背後にいるだれか。結託しているのだろう。どうやって、という疑問は残るがいずれわかるだろう。


「まぁ、街に着くまでか街についてからなんとかなるだろ。お嬢ちゃんは気にしなくていいぞ。」


まぁ、とりあえず。解決はしていないものの、そのあたりの話は落ち着いた。


「んー、そういえば肉が焦げちゃったけどレオあんたおなかすいてない?」

「しゃーないなぁ。食えるところだけ食ってやる。」


おなかは減っては居ないがやることも無い。

なんとなく居づらい雰囲気のまま時が流れる。


「あのー。」

「ん?どうした?」 レオがこげた肉と格闘しながら答える。


「あちらのテントで横になっているのが熱を出された方ですよね?」

「ああ、そうだ。」レオの口がふさがっているのでジェナが答える。


ピピピっ。突如として頭の中に流れる電子音。あたしは電子音が何かを知っている。

え?

ほわ~んと音がして人の輪郭がテントの向こうに見える。『男性。衰弱中。外傷なし。メディカルチェック終了まで10秒。』

なにやら頭の中に響いてくる。

『熱病の病原体を発見。駆除を行います。完全排除まで180秒。』

はへ?左目の端っこに絵が投影される。たぶん、病原菌の拡大図だろう。


『病原体の排除完了しました。』

だれかか何かか知らないが

「もう病原体は居なくなっているので、なにか軽いものから食べさせてあげたほうが.....」


「「!?」」

「直接は見えないでしょ?」 ジェナの突っ込み

「はい、でもなんとなく見えるんです。」


「「はぁ?」」

「残った病原体も排除されたみたいです。」

「病原体、って熱の原因か?」

どうも、思った以上に科学のレベルは低いみたい

「はい、そのような感じのものです。それが原因で熱が出ていましたが、それを取り除いたのですが、その間に体が弱っているのでふつうの病人の食べるようなものかた食べさせて回復するのがよいとおもうんです。」


「何かの能力?」

「えっと、たぶんそうです。」 自分だって自覚はあいまいだ。そもそもどんな仕組みかもわかっていない。

「なんかあいまいだなぁ。」 もはや突っ込み役にしかなってないレオがつぶやく。


「なんか、自分じゃない自分が居ていろいろやってくれるみたいな。」


......


微妙な空気だけが流れる。これは、もういかれちゃってる娘としか思われていないような気がしてきた。


「とりあえず、まだ街道を見張ってるチェスターを呼んでくる。アヌップの加減もあるだろうが、今晩は野営をして、あした街へ引き上げる。こんな感じかな?」 レオがやっぱり指揮者っぽい。

「了解」ジェナはあっさり答えて当座の流れは確定したようだ。


「あと、もう少し、料理つくっといてくれ、チェスターも腹減ってるだろうしお嬢ちゃんも。」

さっき来た道へ歩きながらレオがジェナに声をかける


「あいよー。」


あたし自身は、とりあえず、手持ち無沙汰はかわらずのまま。

焚き火の邪魔にならないところに座ってさっきの状態を思い出そうとしてみることにした。

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