32 あたしの備え
実は、城砦都市キルウーロを出る前から、できる工作は行っていた。
ナノマシンの大量生成および自己増殖。そもそものナノマシンを作るナノマシン。最初にいた5kgの大半がそれに相当していた。その工作ナノマシンを増産。これに歯止めがかからなくなった自称をグレイ・グーと呼び、一日で星がナノマシンに埋め尽くされるという大惨事。ただ実際には途中でエネルギーが尽きたり、素材が尽きればとまるものの人に対してはやさしく無い環境になってしまう。
工作ナノマシン以外に太陽光を集めエネルギーを供給するマシン、通信するためのマシン、鳥系ウイルスを殺傷するマシン、いろいろな場所の現状を報告するマシン。詰め合わせ総量数百mgの塊を鳥が食べそうな木の実に仕込んでおいた。また、鳥に寄生する以外にも空気中に浮遊、木に付着するように。グレイ・グー リミッターもあるしマシンの素材が乏しい地域もあるだろうし。ただ、大半はケイ素だしなんとかなるんじゃないかなぁ。と結構軽い気持ちだったりする。移動中もエネルギーに余裕があるときは工作ナノマシンと、通信ナノマシンを配置。リレー式に情報は伝達していくので、指令がでればいろいろ動ける。
飢餓は、農民の人にがんばってもらう。入れ知恵はするとしても。連作障害を起こさない方法を広める。都市も清潔じゃないところはしっかりする。
伯爵様のお屋敷にはプロトタイプとは言えトイレもあったわけだし、その手の技術をしっかりと広めていく。
この世界的にはチートなのかもしれないけど、あたしにとっては常識のそれ以前の知識です。
なんか、2,3ヶ月で帰れる気がしてたんだけど、これだと数年はこのまんま!?
いやー、毎日お風呂に入れる環境に戻りたい~。老廃物質の除去、皮膚表面のケアはナノマシンでできることもあるけど、着たきりすずめはいやだ~~。