23 修理工
蟹工船という単語が頭に浮かんだ。
いや、単語のイメージだけで現物を読んだことがあるわけでもないんですけどね。
カニがビームをだすんだっけ? なんか字が違いそう。
しかし、あたし的区分として中世世界に近代技術が使われているというのに違和感があった。あの科学室もそうだし。この部屋も。
立体映像など、近代にはやった技術そのもの。確かに補助脳や、そのインタフェースに頼らない技術としては十分実用的なものだったりする。
でもって修理ですか。託宣の水晶でしたっけ? マニュアルは要らない。見るだけで大体が連想できた。一部はちょこちょこと操作すると詳細が勝手にわかる。とりあえず、経年劣化による損傷ということで、予備部品の扉をあけるとどれが予備品だかすぐにわかる。
すごい、あたしはできる子.....というわけではなく、補助脳さんがすごいんだけどね。
修理している間にわかったこととしては、三万二千キロメートル上空に静止衛星が8基。それぞれに八重バックアップシステムを搭載して千年紀単位で動作可能になっていること。γ線を含めた太陽フレア防護策も施されている。補助脳は否定していたメテオストライクの装置も2基。ただし、地上に落下する恐れがある塊に重力波を浴びせて破壊する系統。流星は燃え尽きます。
長期の気象観測を行えるので、凶作・豊作を事前に予測できることが可能。
その他に、あたしのいた世界からメッセージを送ることも可能。ただし、要翻訳。
殖民惑星にする気まんまんじゃないですか。
あれ?最初から普通に会話していたけど....と思い返してみると。あ、補助脳。文字とあたしが見立てたものもよく考えたら補助脳があること前提で文字を圧縮して記載してある。なんと言えばいいんだろう。3Dマトリクス?
考えるとくらくらしてくる。
修理はあっさり終わって、自律診断システムでの確認中。
過去の託宣の内容もちらほら見れるが、豊作・凶作などがよいところ。それにちょこちょこ技術的な事が混じっている。物資の転送情報も込み。その成果があの科学室なのですね。そして最近の所ではあたしに関すること。名前の指示もある。名前を聞き出すことは控えるようにとも注意書き。
そして驚愕の内容が。
『魔王を名乗るものが現れ、疫病と飢餓をもたらす。』そして丁寧なことに暗号文章の塊。鍵がないと再生できないモノ。念のため補助脳に完全記憶を指示。言われる前にわかってしまった事実。当然修理工だけでなく、やっぱり勇者様をやらされるんだなぁ。
でも、魔王とやらにどうやって立ち向かえと?
仲間は居ないの?
「どうすればいいのよ!」
やっぱり補助脳は答えをくれなかった。
見直してみるとアラが目立ったり、誤変換があったり。中途半端に時間があるときに発作的になおすやもしれませぬ。




