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17 午後の紅茶


二度目のお昼ご飯が終わったあと。とてつもなく暇になった。

部屋から出れないので屋敷の散策もできない。

紅茶をすすりながらいろいろ考えてみる。


例の扉の向こう側については興味があるものの、あの臭いを嗅ぐのはもうイヤです。勘弁してください。そもそも何をやっていたかを把握したところでなにか進むわけでもなし。

と、思っていたけど思いついた。ナノマシンに確認させれば退屈しのぎにはなりそうだ。


ナノマシンと言っても万能なわけでも無く、大体は単一機能しか持たない。自我を持たせる余裕もない。だから補助脳が制御を機械的に行う。


とりあえず、成分分析と、揮発性物質を確認して分解位だろうか。

元々はウイルスやガン細胞の破壊を目的として作られたので化学的なアプローチには向いている。対して物理的な物事に対する作用は限りなく無いに等しい。ついでにエネルギーを与えないと動けない。


先ほど問題になった杖を確認して見る。多分エネルギープラントになっているのは当たりだと思う。問題はどの手のモノなのか。

太陽光の利用は発電に限らずナノマシンへのエネルギーに使える。地域散布型によく採用される。あと、この大きさに入るとすれば水触媒による発電あたり。得られるエネルギーはさほどではないもののナノマシンへの安定供給源そんな所だろうか。水に浸してみればいいんだよねと階下の風呂場へつかつかと。


風呂桶に杖をちゃぷんと浸ける。頭の方を濡らせば良いようだ。川などがあればそれでよし。そうで無いときには飲み水とのバーターになりそうだ。


とはいえ、動けない現状では例の「科学室」の調査がいいところだろう。

化学的には無敵に近くても物理的には問題が多い。杖より剣のほうがよかったのになぁと思いつつ。頭の中でぐるぐる思考が回っていたが、無いなら作ればいいじゃない。


階下に炭はあるはず。炭素は何かと欠かせない。ウルツァイト窒化ホウ素を生成するにはいろいろ足りなさそう。ロンズデーライトなら何とかなるのかなぁ。


生成のためのエネルギーは杖を風呂桶に突っ込んでおけば大丈夫。

炭はたぶん一山ざっくりと必要かな?結合と密度が違うのでしかたない。

階下に資材一式そろえておいて夜の間に補助脳さんにがんばってもらう。物質の構成しなおしとは言え、堆積が短刀でも馬鹿にならない。あとは、剣の中にチューブを何本か這わせてそこ経由で化学物質を流し込めるようにすれば炎の剣とかになったりするやもしれず。

よし、これでいこう。


カチャリと紅茶のカップを置くと、壁際に座っているジェナに声をかける。


「ねぇねぇ、剣の柄と木炭あるだけ持ってきてくれないかな?」

「え?なに?も、木炭?」

「そう。お風呂炊いた時にきっとできてるよね。」

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