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11 伯爵宅にて

「取り敢えず、部屋は二階の左手奥から二つ目だ。」

「え?あの部屋って開かずの間じゃなかった?」レオの言葉にジェナが応える。

「どうやら、特別なお客様専用らしい。」

「ふーん。」


まぁ、もはや何でも良いけどね。


東屋を出て、館の裏手。また隠し扉だ。何かに取り憑かれているの?でも、秘密があるから正門からではなく裏門というか、裏の隠し通路から入るのは筋が通ってなくはない。


「部屋の中がどうなっているのかは聞けなかったが鍵はこの通り。」 レオが、ジャラっと鍵を取り出す。あたしはそれを受け取って部屋に向かう。

鍵の形がもはや想像していた範疇を越えていた。普通の中世くらいの鍵を想像していたが、円柱の形をして外輪の一部が可動するという。一種の細工仕掛けであった。


「十分な広さはあるあしいので、ジェナは中で警固。」

「了解」


「食事は一時間後くらいに運ばれてくる予定だ。ゆっくり休んでいてくれ。」

「ありがとうございます。」


割り当てられた、件の部屋は引き戸だった。扉にぴったりの鍵穴があるのでカシャリと差し込む。

カチッ


鍵を引き抜いてドアを開く。

ジェナはその手際を見てびっくりしている。鍵はジェナに返却して、どんなドジをするか、見守ることにする。


部屋に入ってみると、そこそこの大きさ。とはいえ、右手奥のほうに天蓋付のベッド。その手前にクローゼット?っぽい家具。奥の窓際は木造の取っ手の付いたドア。奥に続いているみたい。

左手は?

一瞬時代を超えたかのような感覚。取っ手付のドアがあった。材質はどう見てもステンレス。サムターン付き。


「え?」何かの見間違いかと思って目を擦る。


何かおかしいでしょうに。

つかつかつかっと歩いていって


カチャ、ガチャ

サムターンを回す。取っ手を下げて戸を押し込む。


ツーン

「臭い。」

臭かった。薬品臭。


バタン。と思わず戸を閉めた。

閉め際になんか見えたなー。スイッチみたいな感じ。

息を吸って、止めて鼻をつまんで突入。


左手でスイッチをいじる。静電式。いや、この世界にありえないでしょう。

カバーが開いて換気扇が回る。

部屋の中を一瞥して。フラスコやらビーカーやら試験管やら。こっちだと錬金術?

それを確認して元の部屋に戻る。


ジェナと目があう。なんとなく顔をしかめてる。臭いんだろうなぁ。


こんな設備があること自体がもやはおかしい。でも、まぁ人を送れるなら物を送るのはもっと簡単だし。そこでふと思い出す。


そういえば、戻る方法が思い出せない。

そのうちなんとかなるのかな?


「ジェナさん」

「はい」

「お水でいいからお風呂と、着替えがほしいです。」


なんか伝令管みたいなもので指示を出してる。一応ふたがついていて、それを上にひらいて管に向かって声を伝えられる。どこにつながっているかはわからないけど、隣の部屋なのか階下なのか。

次回お風呂回。ただし絵は無い(ぁ

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