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10 伯爵宅へ

馬車はコトコトと裏路地へ入っていく。


そして、しばらく走った後どこぞやのお店の前でパタッと止まった。


レオとチェスターが馬車から降りて中へ入っていく。

しばらくすると、店の脇、木の壁で通りと仕切られていた門が、キィィと開き始めた。


いつの間にかレオと交代していたジェナが馬車をゆっくりと進めていく。

裏庭はそこそこの大きさになっていた。今みたいな馬車から荷物を載せたり下ろしたりするための場所のようだ。

荷物?あぁ、あたしが荷物か。今のところ別の意味でも「お荷物」ですよね。


とりあえず、荷台から降りて背伸びをする。

なんて非効率な世界なんだろう。普通ならアレで.....あれ?


わかってはいるんだけどなんか若年性痴呆症にでもなったんぢゃないかと疑いたくなるくらい。

それはあきらめた。あきらめるしかなかった。

でも未練はたっぷりだ。


元病人は養生のために家に戻ったらしい。レオ、ジェナ、チェスターの後をついてひょこひょこついていく。

普通の商会かと思ったら、近衛の隠れ家...ということらしい。


隠し扉を2つほど潜り抜けてあまり広くない通路を微妙に登っていく。床は軋んだりはしないが、通路は通常よりも狭い感じで壁にぶつからないように気を使いながら進んでいく。明かりはレオとジェナのランタン。あまねくように照らせるわけではないので時々、向きがずれていないかの確認にしかならない。幸い通路はまっすぐだったので壁にぶつかったり転んだりはしなかった。右手を壁につけてするする滑らせながら歩いていく。

結果的にたどり着いたのはさほど広くない小屋。出た先側からは隠し扉になっていたのだが、それを出ると庭園だった。守衛所みたいなつくり。というか守衛所なんだろうなぁ。


庭園にはいろいろな植物が植えられている。鮮やかな花から大きな葉っぱのモノまで。

世界の縮図のようにかなりたくさんの植物がそこに収められている。

手入れが大変そうだなぁ。でもそこは貴族の特権をうまく使ってるんだろうなぁ。

薬用のモノはちょっと大目なのかな?


木材で作られた通路をすり抜けて進んでいくと東屋あずまやが見えた。


遠くに見える壁とか考えるとこのあたりが中心部。ベストロケーション。


「お嬢ちゃん、ちょっとここで待っててくれ。」 レオから声がかかる。

「はーい。」


レオとチェスターはそのまま先に進んでいく。

ジェナは同じく東屋でストップ。

まぁ、こんなときにはどうするってきちんと決めてあるんだろうなー。型は崩れてるけど近衛は近衛。やっぱりそれなりにしっかりしてるんですね。


「ジェナさん?」

「なんでしょう?」

「伯爵様ってどんな方?」

「レオが大体話してくれたんで付け加えることはあんまりないけど。やさしいお方よ。多少変だけど。」

やっぱり変なんだ。


そしてまたしばらく待ちぼうけ。

文字通りほうけるしかない世界だった。



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