覚醒
自分で読んでいておかしな点を多々感じたので、大幅に改稿させていただきました。
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あれから更に1年。最近は午前と午後には分けてやることをそれぞれ決めた。まず午前だが、俺の体が出来上がってきたから、爺ちゃんとの戦闘の修行を始めた。なんでも爺ちゃんは、冒険者というのをもともとやってて、ランクSSまでソロであがった天才だと、自分で自慢気に言ってた。ちなみにランクはF・E・D・C・B・A・AA・AAA・S・SS・SSSという感じで左から上がっていくということだ。
俺は槍と魔法を使って全力で挑みかかっているが、流石自慢するだけのことはある。爺ちゃんには体術だけで全ていなされる。
【我は請い願う。土の精霊よ、礫をもちて我が障害を払い道を切り開きたまえ】
そう唱えると、地面から無数の土の礫が浮き上がり爺ちゃんの頭や鳩尾など急所に向かっていく。それを爺ちゃんは最低限の動きでかわしつつ
「コントロールは良くなってきているが、まだ、速度が足りんな。もっとイメージを練れ!」
などと笑いながら(嘲笑的な意味で)アドバイスまでしてくる始末。流石にイラッとしたので直接、槍をぶつけにいった。
「くらえ爺ちゃん‼︎」
俺は槍を上から叩きつけるようにして振るうが爺ちゃんは半歩左に動いただけで躱された。しかしそれは予測してたので、地面に叩きつけず、すれすれにして足払いのようにして薙ぎ払った。
(爺ちゃんなら、これも避けるな。この攻撃を避けるとしたら……跳ぶか?なら強引に止めて切り上げるか)
と、跳ぶことを前提に考えていると、
「あまいわ‼︎」
というと、俺の腕に尋常じゃない負荷がかかる。なんと、かなりの勢いがあった筈の槍が踏まれて、地面に叩きつけられていた。そんな予期せぬ防御のされ方に思考が一瞬、停止した。そして、そんな絶好の機会を見逃す爺ちゃんじゃない。しまったと思った時にはもう投げられていた。
「また、掠らせることもできないか〜。やっぱり爺ちゃんは強いなー。俺も爺ちゃんみたいに強くなれるかな?」
「そうじゃな、魔法と槍術のきちんと組み合わせて、修行を怠らず後50年もすればな。バラバラに使ってたら勝てるものも勝てないぞ」
「じょ、冗談じゃないぜ〜。そんなにかかるのかよ……それに詠唱をしてたら自然とバラバラになっちまうだって」
「まぁ、頑張るんじゃな!魔法はイメージじゃよ。イメージさえしっかりと持てば、無詠唱もできるようになれるからの。はっはっは!」
「全く笑い事じゃねーぜ。そんなの何年も修行してできるようになることだろ。でも強くなるには数もこなさなきゃな。もう一戦やろーぜ‼︎爺ちゃん」
「おぉ、いいぞアルト。頑張るのじゃ。」
「人ごとみたいに言ってられんのも今のうちだぜ‼︎」
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そして午後だが、この世界の勉強をしてる。最近やっとこの世界のことが分かってきた。
まずこの世界の名前だが[ソラマカ]といい、3つの大陸と、小さな島々に分かれているらしい。
3つの大陸はそれぞれ、[人間][亜人](ここでの亜人は動物と人間を足して2で割ったようなやつみたいだ。)[魔族]が占領しているらしい。エルフやドワーフもいるらしいが、奴隷のように扱われたりするため隠れて住んでいるらしい。爺ちゃん曰くエルフは森が豊かな小さな島に住んでいると聞いた。ドワーフは特定におらず、鉱脈があるところにひっそりと暮らしているらしい。いつかあってみたいな。ちなみに俺は[人間]だ。
次に経済だが、爺ちゃんから聞いた話によると、物価とかは日本とあまり変わらないらしい。ただ貨幣は1円=石貨、10円=鉄貨、100円=銅貨、10000円=銀貨、100万=金貨で単位だがアランとなっている。
最後に俺が今いる場所だが、小さな島々のひとつでアストロ島というらしい。そしてこのアストロ島だが、別名死島という。なんでかっていうと、魔物のランクがA〜Sランクの魔物が跋扈してる島だからだ。何度か爺ちゃんになんでこんな場所に住んでいるのか聞いたがはぐらかされるだけだった。まぁ、そんな場所だから爺ちゃん以外の人にはまだあったことないな。
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そして、今日も午前修行を終え、午後は自分の部屋でこの世界について勉強していると、何故か突然庭の方の壁が爆発した。
慌ててそっちを見てみると、そこから体が黒く目が異常に血走っている、3mくらいの巨人がそこに立っていた。その巨人だが、俺のことを視界におさめると、突然腕を振りかぶる。
直感で感じた。こいつはヤバイ。
一度攻撃を弾いてから全力で逃げようと決め、愛用の槍を取り左半身を前に出す構えをとっていたが
ーービュン
という音がすると同時に巨人の手が振り下ろされていた。そして遅れて、ゴトッという何かが落ちる音がして思わず床を見ると、見慣れた「モノ」が転がっていた。赤い何かの液体をぶちまけながら。その「モノ」が自分のでないことを信じて恐る恐る自分の左手を見てみるが……
肘から先が失くなっていた。どうやら何か刃物のようなもので切られたようだ。巨人の手には先ほどまで隠されていたのだろう鋭い爪が出現していた。しかも相手の態度を見るに、わざと一撃で殺さず恐怖心を煽っているみたいだ。
そんなことを頭では冷静に分析していたが、体は正直だった。さっきから震えが止まらない。
そんな、ビクビクしている俺を見て、巨人は思惑通りにいったのが嬉しいのか、ニヤニヤと笑っていた。笑いながらこちらの恐怖心を更に煽るためか、心なしゆっくりと腕を振り上げる。先ほどの光景がフラッシュバックする。速すぎて見えずいつの間にか腕が失くなっていた。
(やばい、今度こそ死ぬ)
そう考えると体が恐怖で動かなかった。あまりの恐怖に目を閉じたその時……
後ろから一陣の風が吹いた。
ーーーキン
目を開けると爺ちゃんが剣を持って俺の前で相手の爪を食い止めていた。そして振り返らず
「遅くなってすまなかった、アルト!そして逃げろ‼︎居間の隠し階段を開いてきた!はいったら蓋を閉めろ‼︎」
俺は状況が理解できず呆然としてると
「早く行け、アルト!」
と始めて聞くような爺ちゃんの切羽詰まった声にようやく我に返り
「爺ちゃんは⁈」
となんとか口を動かし言うと
「ここで時間をかせぐ、お前をここで殺させない」
ここで、爺ちゃんは剣で爪を弾いて一旦距離をとった。
「こいつは多分、規格外と言われる魔物だ。打ち合ってみて分かったがわしでも勝てない……わしも隙をみて逃げるから早くし・・・・・」
その先の言葉が続くことはなかった。さっきまで本気を出してなかったのかスピードが桁違い上がった巨人の攻撃だった。反応する間もなく爺ちゃんの体に袈裟に線が入った。
「爺ちゃん⁉︎」
慌てて近寄ろうとするが
ーーードサッ
爺ちゃんの体が線に沿って滑り落ちていった。死んでしまったのは明白だった。すると巨人はその死体を食べ始めた。さっきまで楽しく修行していた爺ちゃんの死体が。
それを認識した途端怒りで目の前が赤く染まっていく…自然と口から怒りの言葉が出てくる。
「また、俺から奪うのか?この世界でもお前らは俺のことを排除したいのか?そんなお前らの勝手は許容できない。絶対に殺す‼︎」
そう決意すると赤く染まった視界に文字が浮かび上がってきた。
choose
→→→→→→→→→→→→→ wrath
→→→→→→→→→→→→→ envy
→→→→→→→→→→→→→ gluttony
→→→→→→→→→→→→→ greed
→→→→→→→→→→→→→ sloth
→→→→→→→→→→→→→ lust
→→→→→→→→→→→→→ pride
この中でwrath(憤怒)の文字だけが煌々と光っており他は黒くなっていた。とりあえず光った文字しか選べないようだが、直感で理解した。これはあいつを殺すために俺に必要な力だ。
俺は唯一選べるwrathを選んだ。すると勝手に口が動き始める。
【其は全ての怒りを司るものなり。我が求むるは力、代価は血也。今、其が化身、狼の鋭き爪と牙を持ちて、破壊せよ‼︎】
そう唱えるとさっきまで地面に落ちていた俺の手から落ちる血が消えていた。そして口と爪からそれぞれ、赤いオーラで形成された牙と爪が生えてきた。失くなった左腕もオーラによって形成された。そして異常なほどの力が俺の中で巡り始めた。その時、さっきまで感じていた恐怖はすっかり消え、ただ一つの感情……怒りに支配されていた。
「絶対にコロス!!!」
ルピの振り方が分からなかったので()で表現してあります。 セリフとか少なくてすみません。