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3話 幼馴染
「行ってきます。」
着替えを済ませて、外へと出た。
煉瓦造りの家が並ぶ住宅街は、外へ向かう人や出勤する人たちであふれていた。
「あ、ケイト!おはよう。」
見慣れた薄紫の頭を発見して、声をかけた。
私の声に反応して振り返った少年。
茶色いきりっとした釣り目の瞳と、少し癖っ毛の薄紫の髪が特徴の、私の幼馴染。
ケイトはにこっと笑って、「おはよう。」といった。
そのまま、並んで歩きだす。
「そういえば、誕生日おめでとう、アミ―。」
耳に優しい綺麗な声で言われて、はにかむように笑った。
「ありがと。今日は、母さんがご馳走作るって張り切ってるの。
ケイト達も招待するね。」
「うん。
アミ―の母さんは料理上手だから、楽しみだね。」
そのまま、たわいのない話をしながら、近くの図書館に向かう。
ふと、顔を上げると、相変わらず強い日差しを送り続ける太陽が視界に入る。それと一緒に、建物の陰に、人影が見えた。
「…?
あ、あれ?」
しかし、それは一瞬で消えてしまった。
……何かの幻かな?
…なんだか、全然バトル的展開になってませんが、もう少ししたら、バトル要素入れたいです。