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1話 日常
パチッ
瞳を開くと、見慣れた天井が視界に映る。
ゆっくりと体を起して、のびをする。
「………なんだか、おかしな夢を見たような気がする。
不思議ね。誕生日の日だからかしら?」
そう呟いて、私こと、アミ―・フレンツは、身支度を始めた。
私の住む町は、それは平和で素敵な町だ。
住民は皆、争いを好まず、仕事を怠けたりもしない。
これといった流行り病もないし、農業も豊作が続いている。
私も、優しい母、逞しい父、頼れる兄に囲まれ、幸せな暮らしをしている。
こんな毎日が続けばいいな、と祈りながら毎日を過ごしている。
「おはよう。父さん、母さん、兄さん!」
私は笑顔で、一階のダイニングに駆け込んだ。
そこには、テーブルについて読書を嗜む父と、あわただしく母の手伝いをする兄。
それと、キッチンで料理を作る母がいた。
「あぁ、おはよう。アミ―。」
「おはよう。朝から元気だね。」
「あ、起きたのね。、アミ―!誕生日おめでとう!」
みんな、笑顔で挨拶を返してくれる。
これが、我が家の日常。
かけがえのない日々だ。