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プロローグ
真っ暗な闇の中。
沼に沈んでいくような、不思議な感覚の中、声が聞こえた。
――娘よ、行きたいか?
……あなたは、馬鹿ですか?
この世で死にたい人間なんて、よっぽどの事情でもない限りいないよ!?
ごく普通の女子高校生が「死にたい。」とか、夢なさすぎるでしょ!!?
――まあ、そうだよな。
わざわざ聞いた意味ないじゃん!!
脳内で突っ込みを連発していると、突然、目の前が明るくなった。
――では行け、娘。
運命に導かれし、哀れな娘よ…。
……は?運命って、なんだ!!?
そう叫んだ瞬間、わたしの意識は、どこかへ飛んで行った。