原因…そして
「晶さん目を閉じて下さい」サミの云う通り俺は、目を閉じた。
「では、行きます3,2,1…」そこで、サミの声は、聞こえなくなり光が無くなった。
「ここが…絵美の精神世界…?」あの笑顔の絵美を考えると酷く暗い。
少し歩くと人影が二つ。
近付くにつれて光を放ち始めた。
「絵美!!」二つの人影の一人は、絵美だった。もう一人は、闇に包まれているようで見えない…が原因は、あの闇だ。
「小林晶…」闇に包まれている『なにか』が声をかけてくる。
「誰だ!!」少し距離を取り身構えながら返事をする。「ふふふ…ひ・み・つ♪」影は、欝陶しく云った。うぜー。
「とりあえずお前は、いいや…絵美を帰せ!!」俺が云う。
「七原絵美…この子は、心に闇がある…暗い暗い…。」絵美に闇だと…?あんなに明るい笑顔の似合う女の子が…。
「嘘だな!!」
「嘘じゃない…この世界は心に比例するのだ……この意味がわかるか?」心が明るさに比例する…?つまりこの世界は、暗い…が 絵美は明るい…。わからない…。
「絵美は、明るいんだが…?」とりあえず疑問をぶつける。
「そっ…それは…」影が口ごもる。チャンス…か?
「なんで光っているんだ?生きたいって事じゃないのか!!絵美!!起きるんだ!!」
「よせ!!今この子を起こしたら…!!」俺は、気にせず叫んだ。
「ん…晶…く…ん…?」
「もう…ダメだな…小林晶…では、少ない時間を楽しむんだな」そう云って影は消えた。
「絵美!!」俺は、絵美の側に駆け寄った。
「晶くん…わたし…」
「帰ろう絵美」俺は、優しく云った。
「帰らない…だって…どうせ死んじゃうから…」絵美も暗くなってきた。心なしか周りも暗くなってきた気がする。
「でも…」確かに…絵美は、原因不明の病気だって…。
「晶くんは、帰って…?」泣きそうな声。
「そんな事できん!!」そう話してる間も絵美や周りが暗くなっていく。
「私は、帰れないの…」
そう云った瞬間 本当に真っ暗になり意識も途絶えた。
一年ぶりくらいに更新します。すみません。