不思議な空間
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインが目を開く。そこは何もない白い世界だった。ただ空間がうねっている。不思議な空間だがカインは何故か疑問を感じない。
『戦争はどうなったんだろう…』
『父さん…』
カインは立ち上がる。うねりの中から一人の女が現れた。
「初めましてカインさん」
「初めまして…どなたですか?」
初めましてなはずの女がカインの名前を知っている。違和感しか感じない。
「私は時の精霊…カインさんに会いに来ました」
「時の精霊?」『時にも精霊がいたんだ…』
「あの、戦争がどうなったか知ってますか?」
時の精霊の事よりも戦争の事がカインは気になって仕方がなかった。
「戦争は終結しました、カインさんが終結させたんです」
「僕がですか?」『誰にも死んでほしくないと思った事しか憶えてないけど…』
『…もう悲しい思いする人はいないって事だよな』
時の精霊から話を聞いてカインは心を落ち着ける。しかし自分がという事にはピンと来ていない。時の精霊は微笑んだ。
時の精霊の用件は他にある。
「ここはカインさんの精神世界、アーレンさんは現実世界で近くにいます」
「あっ、そう言えば」『何で今まで気にならなかったんだろう』
時の精霊に言われてカインは現状の不自然さに気付く。
「カインさんの精神世界ですからね、不自然さは感じないはずです」
「それと…カインさんの精神世界なのにアーレンさんがいたら病的です」
時の精霊は視線を動かして何もない場所を見つめる。その場所に現実世界で眠るカインとカインを見守るアーレンの姿が映し出された。
「魔法持ちのカインさんが魔力切れを起こしました、普通はありえません」
「そして…魔力切れした事でカインさんは本来の力を取り戻そうとしています」
時の精霊は説明を続ける。
「本来の力ですか?」
「騎士のスキルと言えば分かりますよね」
「あぁ!」
騎士のスキルと聞いてカインは声を漏らした。
「このまま目を覚ましてもいいのですが…」
「その前にカインさんが魔法持ちとなった経緯を見てほしいのです」
時の精霊は用件を伝える。
「経緯…どんな経緯なんですか?」
魔法持ちとなった経緯はカインも知りたい。
「私は時の精霊、カインさんを過去に送る事が出来ます」
「カインさんは自身の目で過去を見てきて下さい」
「自身の目で…分かりました」
時の精霊の言葉をカインは受け入れる。
「過去で出来る事は見る事だけ…」
「それ以上の事をすれば現実に戻ります、いいですね」
「…はい」
「では目を閉じて下さい」
時の精霊に言われるままカインは目を閉じた。




