不可知の魔法
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
一つの魔法についてカインとアーレンは考えている。
「不可知の魔法は使える魔法だと思うんだが…勿体ないな」
「そうですよね、見えも聞こえもしなくなる魔法ですもんね」
カインとアーレンは不可知の魔法を気にしていた。
「見えも聞こえもしない…魔物から、はありがたい」
「でも味方からもなんですよね」
『カインが見えないと剣でフォローしてやる事が出来ない』
『アーレンさんの事が見えないの嫌だな、邪魔もしちゃうかもしれない』
互いも見えなくなる事がカインとアーレンを悩ませている。
アーレンは剣に手を置く。
「我に従う風と光の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ不可知を与えよ、アンノア」
アーレンは不可知の魔法を使う。
「私の事が見えるか?カイン」
アーレンはカインに尋ねる。返事がない。カインにはアーレンの姿が見えなかった。声も聞こえない。アーレンは不可知の魔法を解いた。
「アーレンさんが見えなくなってました」
「そうだよな…」『私の声も聞こえなかったんだろう』
カインから見えなかった事をアーレンは改めて確認する。
「今度はカインが私に不可知の魔法を使ってくれ」
「はい」
アーレンは不可知の魔法をカインに託す。
「我に従う風と光の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ不可知を与えよ、アンノア」
今度はカインがアーレンに不可知の魔法を使う。
「私の事が見えるか?カイン」
アーレンはカインに尋ねる。返事がない。結果は同じだった。しばらくしてからカインは不可知の魔法を解く。
不可知の魔法をカインとアーレンは使えるようにしたい。
『そもそも見えなくする魔法なんだよな…』
『…なのに互いは見たいというのが小難しくて想像し難い』
どうすればいいかカインは考えている。魔法は明確に想像できなければいけない。
「解決できるかどうか別にして試せる事を試そう」
「試せる事?ありましたっけ…」
アーレンの言う「試せる事」がカインには思いつかなかった。
「我に従う風と光の精霊…」
「我が魔力を糧として我らへ不可知を与えよ、アンノア」
対象を変えて再びアーレンは不可知の魔法を使う。
「アーレンさんが見える!」
「声は聞こえるか?」
「はい」
不可知の魔法でカインとアーレンは互いを見る事も聞く事も出来た。
「"我ら"に不可知を与えるから見えも聞こえもしなくなるのは"我ら以外"」
「…ですかね?」
「町へ行って確認してこよう」
「そうですね」
カインとアーレンは町で不可知の魔法を確認する。町の人間は誰も二人を見る事も聞く事も出来なかった。




