防具屋
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
防具屋は武器屋の隣にあった。防具屋はオリビアと夫のカリルが営む店である。カリルの話を聞いてカインは自分の気持ちを知り、アーレンにプロポーズしていた。
「いらっしゃい」
「よぅお二人さん、おはよう」
「おはようございます、オリビアさん」
オリビアが出迎えてから三人は挨拶を交わす。店に他の客はいない。
「オリビアさん、僕達そろそろ別の町へ行こうと思います」
カインがオリビアに伝える。
「挨拶に来てくれたんだね、ありがとう」
「ちょっと待っててくれ」
オリビアは奥からカリルを呼んできた。
「アーレンさん、カインくん、おはよう」
「おはようございます、カリルさん」
カリルも二人と挨拶を交わす。
「カリルさん、僕達そろそろ別の町へ行こうと思います」
カインがカリルに伝えるとカリルは驚いたような顔をした。
「そうなんですね、二人は冒険者ですもんね」
「…てっきり僕は別の話かと思いました」
カリルの言葉にカインとアーレンは驚く。
「その…僕からプロポーズして結婚もしました」
「正式にはお金を貯めて冒険者を引退した後ですが」
カインが白状する。とはいえ隠しておくつもりはなかった。
「そうなのか!良かったじゃないかアーレン!」
「…はい」
オリビアが喜び、アーレンが恥ずかしがっている。
「良かったねカインくん」
「はい」
カリルはカインに声を掛けた。
「いやぁ、指輪を贈るだけになるかと思っていたが頑張ったじゃないか」
オリビアもカインに声を掛ける。オリビアはカインとアーレンの気持ちに気付き、二人を結び付けようと画策していた。喜びも一入である。
カインとアーレンは防具屋を後にした。
「カリルさんにも気付かれたな」
「そんなに僕達…僕だけかもしれませんが、分かり易いんでしょうか?」
「他の人には気付かれたわけじゃない」
「…シンディさんとカリルさんが鋭いと考えるべきだろう」
カインとアーレンはカリルも只者じゃないと思っている。