研究室
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは男に付いて行く。そして建物の中に入った。
「ここは私の研究室、自然の仕組みを調べて考える場所です」
男が場所について説明する。
「さっそくですが光は何色だと思いますか?」
「白ですかね…」
「他の色もある気がする」
男の質問にカインとアーレンは答えた。
「二人とも正解です」
「光の中には色々な色の光があって全体で白く見えます」
「虹についてですが…色々な色の光が分解されて並んで見える現象なんです」
「雨上がりは空気中に細かな水滴があって、水滴が光を分解しています」
「それで雨上がりに虹の見える事が多いんですね」
「はい」
『…なるほど』
カインとアーレンは感心しながら男の話を聞いている。
「そもそも目が感じ取った光を色として認識しています」
「直接、光源を見ていなくても…」
「何かに光が当たる時、一部の光が反射すると目が感じ取って色を認識します」
「赤に見えるなら赤の光を反射しています」
「緑に見えるなら緑の光を反射しています」
「青に見えるなら青の光を反射しています」
「光がなければ何も見えません」
男は光について説明した。
「何も光を反射しない物は見えないんですか?」
「そうですね…」
「光が通過していれば透明で見えません」
「光が通過しなければ黒として見えます」
「まぁ、黒と言うか…」
「そこだけ闇になって周りとのコントラストが見える感じですかね」
男はカインの質問に答える。
『なるほど、それが光なんだ…』
『これで光魔法の想像が出来るかもしれない』
カインとアーレンは光の事を知った。男は微笑む。
男は話を続けたい。
「色について話をしたので音についても話をさせて下さい」
「はい、僕も聞きたいです」
カインは男に答えた。
「物が動くと空気は振動します」
「その振動を耳が感じ取れれば音として認識するんです」
「人間の喉には声帯と呼ばれる物があるのですが…」
「こうして喋っている時は声帯等が空気を振動させてます」
「声帯等による振動を耳が感じ取れば声という音になりますね」
「なるほど」『空気の振動って風の一種だよな…って事は風魔法が使えるぞ』
カインは男の話を聞きながら好奇心を満たす。と同時に風魔法を想像しようとしている。
男の話は続く。
「火と言うのは何だと思いますか?」
「えっ、何だと言われると…」
カインとアーレンは男の質問に答えられない。
「火は酸素が他の物質と激しく化学反応する現象だと思うんです」
『酸素?化学反応?』
「難しいですよね」
「例えば空気中に酸素と呼ばれるものはあります、目に見えないですが」
「高温になると急激に酸素が他の物質とくっついて別の物質になるんです」
「その時、頭に思い浮かべる火が現れます」
「なので…物凄く大まかに言うと火は高温の事ですかね」
男は火について説明した。
『空気中に酸素という事は…』
『火魔法に風魔法を使ったら火が変化するかもしれない』
カインの想像が膨らむ。
男の話は終わらない。
「どうやって鳥が空を飛ぶと思いますか?」
男がカインとアーレンに聞く。
「どうやってって…翼を羽ばたかせてじゃないんですか?」
「いや、飛び立つ時は羽ばたくが空を飛んでいる間は意外と羽ばたいていない」
「大きく翼を広げているんだ」
男の代わりにアーレンがカインへ返す。
「そうなんです、意外と羽ばたいていないんです」
男はアーレンと熱心に鳥の飛び方について話し始める。カインは話に参加するタイミングが分からない。
『飛び立つ時と飛んでいる間…断面…空気の流れ…』
『翼の構造が空を飛ぶ鍵なのか…』
『鳥は体の大きさに対して体が軽い…』
『人間が飛ぶとしたらかなり大きな翼とそれを動かす筋力が必要になる…』
参加できないながらもカインは真剣に鳥の飛び方について聞いている。
アーレンと男は話を終えた。
「無限に時間があるので私は好きなだけ研究できます」
「えっ?」
「研究は魔法の想像にも役に立つと思います」
「えっ?」
「光魔法の魔導書を出して下さい」
「あっ、はい」
聞き慣れた言葉でカインとアーレンは男の正体を理解する。男は光の精霊だった。カインとアーレンは荷物から光魔法の魔導書を取り出す。
「先ずアーレンさん」
光の精霊はアーレンの魔導書の中に消えて魔導書はアーレンの剣と一つになった。剣の刃の片側刃元には新たに白色で楕円の玉が付いている。鞘も変形した。
「次にカインさん」
光の精霊は再び目の前にいる。光の精霊はカインの魔導書の中に消えて魔導書はカインの腕輪と一つになった。腕輪には新たに白色で楕円の玉が付いている。
「今まで通り、呪文の詠唱という形で呼んで頂ければ力添え致します」
光の精霊はカインとアーレンに決まり文句を伝えた。
「こんなに話を聞いてもらえて楽しかった…」
「また機会があったら聞いて下さいね」
「はい、また聞かせて下さい」
カインとアーレンも光の精霊から話が聞きたい。
「ありがとうございました」
カインとアーレンは光の精霊に礼を言う。そして研究室を後にした。




