道具屋
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは水の精霊がいる村へ到着した。そして水の精霊の道具屋へ向かう。水の精霊は道具屋の外で待っていた。
「いらっしゃい」
水の精霊は出入口の扉を開けてカインとアーレンを出迎える。
店の中は誰もいない。カインとアーレンが店に入ると水の精霊は出入口の扉を閉めた。そしてアーレンのほうを向く。
「アーレンさんは魔法を使えば"疲れ"のようなものを感じますよね?」
「はい、魔法の消費というものですよね」
「そうです、それでアーレンさんにお願いしたい事があります」
「魔法の消費を正確に感じ取れるようになってほしいんです」
水の精霊はアーレンへ頼みを伝える。
「正確に感じ取る…どうしてですか?」
アーレンは水の精霊に理由を聞いた。
「新商品として魔力を回復するポーションを作りたいんです」
「魔力の回復なら僕でも出来ますよ?」
横で聞いていたカインが口を挟む。
「カインさんは魔力が膨大過ぎて加減が出来ないですよね」
「魔力切れになったアーレンさんの魔力を全回復する、では効果が大き過ぎます」
「魔力の回復量は加減した一定の回復量にしたいんです」
『だから私なのか…』「分かりました、協力します」
アーレンは水の精霊の意図を理解する。水の精霊は微笑んだ。
「僕は協力できないんですか?」
「アーレンさんを補助して下さい」
水の精霊がカインに答える。
「宜しく頼む」
「分かりました」
アーレンを補助できると聞いてカインは機嫌がいい。
水の精霊はマジカリウム鉱石の塊を机の上に置く。
「実際に魔法を使って魔力を消費してもらう事も出来ますが…」
「場所も選ばず面倒がない方法がいいと思ってマジカリウム鉱石を用意しました」
水の精霊は説明する。試用室もない店内で魔法は自由に使えない。
「マジカリウム鉱石が魔力を流すと光る事は知っていますよね」
「はい」
「一定の具合で光らせられるようになって下さい」
「カインさんはアーレンさんが消費した魔力の回復です」
「分かりました」
カインとアーレンは水の精霊に答えた。
アーレンは真面目に繰り返す。カインはアーレンの魔力を直ぐに回復する。アーレンはマジカリウム鉱石を一定の具合で光らせられるようになった。
「こんなに早く出来るようになるとは思いませんでした、助かります」
「マジカリウム鉱石の発光で消費した魔力を回復する魔法ですね」
「はい、魔法名はリフィルにしましょう」
水の精霊はアーレンに答えながら水の入った瓶を机に置く。
「我に従う癒の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ魔力を与えよ、リフィル」
アーレンはリフィルを瓶の中の水に付与する。水はリフィル・ポーションとなった。
「一つじゃしょうがないので…とりあえず二十個ほどお願いします」
「もちろんカインさんはアーレンさんの魔力回復です」
水の精霊が要求する。カインとアーレンは水の精霊の要求通りにリフィル・ポーションを用意した。
水の精霊は喜んでいる。
「納品の報酬とは別に新商品開発の礼もしないといけませんね」
「水魔法の魔導書を出して下さい」
水の精霊に言われてアーレンは水魔法の魔導書を荷物から取り出す。
「ありがとうございました、アーレンさん」
水の精霊はアーレンの魔導書の中に消えて魔導書はアーレンの剣と一つになった。剣の刃の片側刃元には新たに水色で楕円の玉が付いている。鞘も変形した。
「今まで通り、呪文の詠唱という形で呼んで頂ければ力添え致します」
水の精霊はアーレンに決まり文句を伝える。
「リフィル・ポーションは他の道具屋でも納品して下さい」
「有用な物なので世の中に広めましょう!」
水の精霊はリフィル・ポーションを独占しようと思っていない。
『新しいポーションだから売り込みも必要なんじゃ…』
「お願いします」
「…分かりました」
アーレンは水の精霊に答える。カインとアーレンは他のポーションも納品してから道具屋を後にした。




