魔導書屋
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは城下町に着く。城下町まで町はなく、魔導書屋もなかった。城下町の魔導書屋が頼みの綱である。カインとアーレンは魔導書屋に入った。
「いらっしゃい」
魔導書屋の店主が出迎える。店に他の客はいない。
カインとアーレンは土魔法の魔導書を探した。
「ないですね…」
「ないな…」
カインとアーレンは土魔法の魔導書を見つけられない。視線を感じる。視線のほうを見ると店主だった。
「すみません、土魔法の魔導書はないですか?」
視線に驚きながらカインが店主に聞く。
「土魔法の魔導書…」
「待っていました、ございます」
店主は手に持っていた魔導書二冊を差し出した。
『あれ?まるで探していたのが分かっていたみたいな…』
「探してくれるのを待っていたんですよ」
「無理強いするのもどうかと思いましたし、他の魔法のほうが使い易いですから」
店主はカインとアーレンに魔導書を渡し、一旦店を出てから再び戻ってくる。
「一旦店を閉めました、私は土の精霊です」
土の精霊は正体を白状した。カインとアーレンは唖然としている。
「先ずアーレンさん」
土の精霊はアーレンの魔導書の中に消えて魔導書はアーレンの剣と一つになった。剣の刃の片側刃元には新たに茶色で楕円の玉が付いている。鞘も変形した。
「次にカインさん」
土の精霊は再び目の前にいる。土の精霊はカインの魔導書の中に消えて魔導書はカインの腕輪と一つになった。腕輪には新たに茶色で楕円の玉が付いている。
「呪文の詠唱という形で呼んで頂ければ力添え致します」
土の精霊はカインとアーレンに決まり文句を伝えた。
カインとアーレンにとって展開が早過ぎる。
「えっと…呪文の確認もしてなかったんですが…」
「あぁ、嬉しくてつい…失礼しました」
「土魔法で基本となる魔法の名はソイルです」
「呪文は捻りがないので想像が付くと思いますよ」
土の精霊は土魔法の呪文について説明した。
「じゃあ、「土を与えよ、ソイル」ですか?」
「はい」
土の精霊はカインに答える。呪文については解決した。しかし、まだ気になる事がある。うやむやには出来ない。
「土魔法の魔導書はいくらですか?」
アーレンが店主でもある土の精霊に聞く。
「お代は要りません…と言ってもアーレンさんは納得されませんよね」
「結婚祝いとして受け取って下さい」
土の精霊は代金を受け取るつもりがない。
「しかし…」
「結婚祝いを受け取ってもらえないのは悲し過ぎます」
土の精霊はアーレンの反論を封じた。
「ありがとうございます」
諦めてカインとアーレンは土の精霊に礼を言う。二人は魔導書屋を後にした。




