義父の試練
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンはブロンとともにアルソード家に到着する。
『魔法は解除していいよな』
カインは発動させていた魔法を解除した。冒険者のアーレンから娘のアーレンとなる。
『あれ?いつの間にか姉さんが鎧を脱いでる…』
『まぁいいか』「父さんと母さんを呼んでくるよ」
「いやいい、どうせ鍛錬場だろう?このまま鍛錬場へ向かえばいいさ」
アーレンはブロンを制した。アーレンはカインを連れて鍛錬場へ向かう。
思った通り、グランとマリアンは鍛錬場にいた。
「父さん母さん…ただいま」
「アーレン?アーレンなのか!」
グランとマリアンは駆け寄るとアーレンを抱きしめる。
「よく帰ってきてくれた」
グランとマリアンはアーレンの帰省を喜んだ。
落ち着いてからグランとマリアンはカインの存在に気付く。
「こちらの方は?」
「私の夫のカインです」
グランの問いにアーレンが答えた。
「夫って…」
グランとマリアンは言葉を失う。
「正式には金を貯めて冒険者を引退してから…」
「でも二人で生きていこうと約束して一緒に冒険者をしています」
アーレンは両親へ補足した。
「冒険者だと…」
グランはカインに斬りかかる。
「止めて下さい、父さん!」
グランの剣をアーレンが受け止めた。
「何で女のアーレンが私の剣を止められる!?」
「知られていないだけで女もスキルを持っているんです」
驚くグランにアーレンが答える。
「カインに出会う前から私は冒険者をしていました」
「危ないところをカインに助けられ…」
「秘密を共有して仲間になり…」
「旅をして女にもスキルがある事を知ったんです」
グランの剣を受け止めながらアーレンは補足した。
「たとえ女にスキルがあったとしても…」
「止めずに危険な冒険者を続けさせるなんて許せん!」
「女と子を守る事が男の役目だ!」
グランはカインを許さない。
「私は守られるばかりを望まない!」
「それに私はカインにいつも守られている」
「カインがいなければ私なんて疾うの昔に死んでいた」
アーレンがグランに反論する。
グランは距離を取った。
「信じられんな」
「私の剣に反応する事も出来ず、アーレンに守られていたじゃないか」
「そんな男がアーレンを守れるわけがない」
グランはアーレンの言葉を信じていない。カインを信じていない。
「あの…どうすれば認めてもらえますか?」
カインが口を開く。
「確かに僕はアーレンさんみたいに強くない…でも」
「アーレンさんと一緒にいたい、アーレンさんと生涯をともにしたい」
「その為には何が何でもアーレンさんを守る!」
カインはグランに自分の気持ちを宣言する。
『強くもないくせに守る?馬鹿な事を…』
「分かった、なら私に勝って見せろ」
「強くなくても敵に勝ってアーレンを守れると証明して見せろ!」
グランはカインに試練を課した。
「そんな…」
カインは困惑する。
「無理を言わないで下さい」
「アーレンの手出しは許さん!手出しをすれば結婚は認めない」
グランはアーレンに釘を刺す。アーレンは手出しが出来ない。
「いくぞ!」
グランはカインへ襲い掛かる。グランの速さにカインは反応できない。グランはカインを斬りつけた。
「ウワァー」
直ぐにカインは自動全回復の魔法を発動させる。傷は回復した。
『なんだと?』「お前は何者だ!」
「僕は魔法持ち、回復魔法の魔法持ちです」
『魔法…あんなに直ぐ回復するものなのか?』
「回復は対処でしかない、回復させるだけではアーレンを守れないぞ」
グランはカインを斬りつける。容赦しない。回復しても構わず斬りつけ続ける。
「反撃するんだカイン!」
「そんな…お義父さんを傷付けられません」
カインはアーレンに答えた。カインはグランの身を心配している。
「そんな事を言っている場合か!」
グランの攻撃は激しさを増す。
「もういい…父さんの許しは要らない…」
ゆっくりとアーレンは剣を構える。
「ダメです!」
カインがアーレンを止めた。カインは覚悟を決める。その目に光が灯った。
「我に従う風の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ風の檻を与えよ、ウィンド・ケージ」
魔法でカインは風檻に囲まれる。カインを囲む風檻がグランの剣を弾く。
「我に従う水の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ水の服を与えよ、ウォータ・クロウズ」
剣を弾いた隙を突いてカインの魔法は水の服でグランの首から下を包んだ。グランは思うように動けない。
「我に従う雷の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ雷の刃を与えよ、サンダ・ブレイド」
懐から取り出したナイフの刃がカインの魔法で巨大な雷の刃となる。カインは水服を着たグランに雷刃が触れないよう細心の注意を払って振り下ろす。そして触れる間際で雷刃を止めた。
「…私の負けだ」
グランは負けを認める。




