道具屋
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
次の日になってカインとアーレンは再び道具屋へ向かう。
『今日こそ私もポーションを納品しよう』
アーレンは心に決める。
カインとアーレンは道具屋へ入った。
「いらっしゃい」
道具屋の店主が出迎える。店主はカインの姿を見て緊張したような顔になった。
「ポーションを納品に来ました」
「少々お待ち下さい」
カインの言葉を聞いて店主は慌てて店の奥へ入っていく。
「どうしたんですかね?」
「どうしたんだろうな」
どういう事かカインとアーレンには分からない。しばらくして店主が戻ってきた。
「奥の在庫置場を整理してきました」
「昨日と同じぐらいの個数であれば買い取れます!」
店主はカインとアーレンに伝える。カインとアーレンは店が買い取れる個数まで気にしていなかった。これからは気にしないといけない。
店主の言葉を聞いてアーレンが口を開く。
「カイン、今日は私にポーションを納品させてくれ」
「あっ、はい」
カインはアーレンに答えた。アーレンは水魔法と防御魔法の魔導書を荷物から取り出して開く。
『この人も魔法使いだったのか…鎧を着ているから前衛のジョブだと思ってた』
アーレンが魔法使いである事を店主は以外に感じた。実際にアーレンは剣士でもある。
「我に従う水の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ多くの水を与えよ、メニ・ウォータ」
「我に従う守の精霊…」
「我が魔力を糧として彼らへ治癒薬の瓶を与えよ、ヒール・ボトル」
「我が魔力を糧として彼らへ高位治癒薬の瓶を与えよ、ハイ・ヒール・ボトル」
アーレンの魔法で小さな水の塊が瓶の中に収まった。
『この人は水魔法も魔導書なのか…普通はそうだよな』
魔導書で魔法を使う事が魔法使いの店主にとっては普通である。アーレンは二冊の魔導書を閉じた。
『右手と左手、一度に開ける魔導書は二冊まで…ですよね』
『次は回復魔法の魔導書を開いて…』
店主はアーレンの行動を先読みする。しかしアーレンは鞘に納めた剣を胸の前に構えた。
『えっ?』
店主は驚く。
「我に従う癒の精霊…」
「我が魔力を糧として彼らへ治癒を与えよ、ヒール」
「我が魔力を糧として彼らへ高位の治癒を与えよ、ハイ・ヒール」
アーレンの魔法で瓶の中の水はポーションになった。
『自分の普通に囚われるのはやめよう…』
店主は反省している。
アーレンの様子がおかしい。
「アーレンさん?」
カインがアーレンの様子に気付く。意識を失って倒れるアーレンをカインが抱き留める。
「アーレンさん!アーレンさん!…」
カインは必死にアーレンへ呼び掛けた。
「どうしたんだろう…急に意識を失うなんて…」
カインには理由が分からない。ただただ慌てている。
「アーレンさん?は魔力切れだと思いますよ」
店主がカインに伝えた。
『知らないって事は…魔力切れになった事がないのかな?』
店主はカインについて推測する。実際にカインは魔力切れになった事がない。
「昨日は驚く事が多くて驚き忘れていましたが…」
「これほどの数のポーションを普通の魔法使いは納品しません」
「かなりの魔力を消費してしまうからです」
「お二人は水も瓶も魔法で用意されたので魔力切れになったんだと思います」
店主はカインに説明する。
「アーレンさんは大丈夫なんですか?」
「しばらく休めば目は覚ますと思いますよ、一日しっかり休めば魔力も戻ります」
店主はカインの質問に答えた。
「奥に客人用のベットがありますから使って下さい」
「ありがとうございます」
カインは店主に案内されてアーレンを奥の客人用ベットへ運ぶ。




