道具屋
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは道具屋に立ち寄った。ポーションを納品する為である。
「いらっしゃい」
道具屋の店主が出迎えた。
「ポーションを納品しに来ました」
「ちょっと試したい事があるんです」
カインは店主へ声を掛けてからアーレンへ話し掛ける。そして荷物から防御魔法の魔導書を取り出した。
「我に従う水の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ水を与えよ、ウォータ」
カインの魔法で小さな水の塊が宙に浮かぶ。
「我に従う守の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ瓶を与えよ、ボトル」
更にカインの魔法で小さな水の塊が瓶に収められた。直ぐにカインは瓶の中の水へヒールを付与する。
「よし!上手くいった」
「これを納品できますか?」
カインは店主に聞いた。店主は一連の作業を見て驚いている。
「この国は魔法使いの方が特に少ないので納品に来られる方も少ないのですが…」
「瓶まで魔法で作るんですね」
「はい、瓶は中身を守っているので防御魔法で作ってみました」
「中身が無くなると瓶も消えます」
カインは店主に答えた。
「回復魔法の呪文を詠唱してませんでしたね」
「はい、回復魔法であれば呪文の詠唱なしで魔法が使えるんです」
更にカインは店主に答える。
「魔法には色々とあるんですね…分かりました、買い取らせていただきます」
ヒール・ポーションを店主に買い取ってもらえる事になった。
試して終わりではない。
「あっ、じゃあ少し待って下さい」
「我に従う水の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ多くの水を与えよ、メニ・ウォータ」
カインの魔法で多くの小さな水の塊が宙に浮かぶ。
「我に従う守の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ瓶を与えよ、ボトル」
「我が魔力を糧として彼へ瓶を与えよ、ボトル」
「我が魔力を糧として彼へ瓶を与えよ、ボトル」
…
全ての小さな水の塊がカインの魔法で瓶に収められた。瓶の形は一つでない。ポーションの種類によって違う。
『瓶の形によって呪文も変えようかな…』
カインは呪文を気にしている。回復魔法を付与してカインは各種ポーションを納品した。
「豪快ですね…ポーションはいつも品薄なので助かります」
店主は呟き、驚きながら喜んでいる。ポーションの納品でカインは十分な報酬を得た。
カインとアーレンは道具屋を後にする。カインがアーレンのほうを向いた。
「ポーションの瓶も魔法で作れればいいのにな、と以前から思ってたんです」
「ファイアンド国で変装した時…」
「鎧は人を守る容器みたいだな、容器は中身を守っているよな、と思いました」
「それで瓶を魔法で具現化してみたんです」
「上手くいきました!」
カインは嬉しそうにアーレンへ説明する。
『すごい発想だな…私には突飛にも思える』
「やはり魔法は便利だな」『想像力がカインの武器になっている』
アーレンはカインの魔法というよりも想像力に感心していた。




