最強の二人
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは褒美の金を受け取って十分な貯えを得る。
「お金、だいぶ貯まりましたね」
「あぁ、これなら冒険者を引退しても生きていけそうだ」
アーレンはカインに答えた。冒険者の引退は正式な結婚を意味している。
「どうやって生きていきましょうか?」
カインはアーレンに聞いた。
「そうだな…ウォータンド国に土地と家を買って自給自足の生活なんてどうだ?」
『アーレンさんと自給自足の生活…』「いいですね」
「ドーラゴニスさんがいる山の麓にある村でも歓迎してもらえましたよね?」
「確かに歓迎されていたな」『また正体を明かさなければいけないのか…』
「お義母さんとアベルくんを手助けする為に近くに住むのがいいかもしれない」
「なるほど」『継母さんとアベルの事を気にしてくれてる…ありがたい』
「アルソード家の近くに住む選択肢もありますよ」
カインとアーレンは互いを想い合いながら結婚後の生活を思い浮かべる。何よりも幸せな時間だった。
引退の手続きをする為にカインとアーレンはギルドへ向かう。
「わざわざギルドで引退の手続きをする方なんていません」
「依頼を受けなければいいんです」
「とりあえず登録証を持っていれば…」
「何かの拍子で魔物を討伐した時にギルドで報酬を受け取れますよ?」
「冒険者の引退は自分の気持ちでいいんです」
「なるほど、そうなんですね…」
ギルドの担当者がカインとアーレンに教える。引退の手続きは必要なかった。
カインとアーレンは冒険者を引退してから正式に結婚する。アーレンの希望で結婚式は行っていない。ディアナとグランは残念がった。結婚した二人は最強の二人である。
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