部屋の前
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
城内を捜し歩いてカインとアーレンは厳重な警備の部屋を見つける。
「きっとあの部屋ですよね」
「だろうな」
部屋に王がいるだろうとカインとアーレンは推測した。扉が閉まっていて部屋の中を見る事は出来ない。
「我に従う風と光の精霊…」
「我が魔力を糧として彼らへ幻覚を与えよ、ハルシネ」
カインは魔法で見張りの兵士達に人影の幻覚を見せる。幻覚はカインとアーレンがいるのと反対のほうへ逃げていく。
「何者だ、待て!」
見張りの兵士が一人だけ幻覚を追い掛けた。しかし、まだ別の見張りの兵士が部屋の前に残っている。
『あれ?』「…失敗してしまいました」
「いやまだだ」
カインと違ってアーレンは諦めていない。
「我に従う風と光の精霊…」
「我が魔力を糧として彼から音と光を奪え、サイレントダーク」
アーレンは魔法で残った見張りの兵士から音と光を奪う。見張りの兵士は何が起こったか分からずにバランスを崩して倒れ込む。
『さすがアーレンさん…』
「行くぞカイン」
「はい」
見張りの兵士の横で扉を開けてカインとアーレンは部屋に侵入した。