最初で最後の町
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは先ずウィンダンド国へ向かう。
「次の町がファイアンド国で最後の町だな」
アーレンがカインに話しかける。
「そうですね」
「…でも僕は次の町がファイアンド国に来て最初の町でした」
「だから戻ってきた気分なんですよね」
カインは感慨深いものを感じていた。
「先輩冒険者のリックさんとハロルさんに出会って、冒険者の登録をして、…」
「今、ハロルさん達がいる町で初めて魔導書を買ったんです」
「魔導書がないと回復魔法しか使えないから魔導書が買えて嬉しかったな」
カインは冒険者になった時の事を思い出している。
「戻ってこられるんでしょうか…」
「…どうだろうな」
カインの呟きにアーレンは答えようがなかった。二人は自分達がファイアンド国へ戻れるのか分からない。
カインとアーレンは町に到着した。二人は途中で討伐した魔物の魔石を持っている。
「とりあえず魔石をギルドへ提出して報酬をもらいましょう」
「そうだな」
カインとアーレンはギルドへ向かう。二人の向かう先から男達が歩いてきた。
「竜を相手にするとか命知らずの奴らがいるんだな…」
「ってか竜を相手にして生きていられるのかね」
「運のいい奴もいるんじゃないのか?」
「確か近くの町のギルドで竜討伐の依頼が出てたって俺は聞いたぜ?」
「何だよそれ、ギルドの依頼を受けたら不敬罪で捕まるとかおかしいだろ!」
「竜への不敬罪なんてあるんだな、知らなかったぜ」
男達の会話がカインとアーレンは気になる。二人は顔を見合わせてから男達に近づく。
「すみません、何を話しているんですか?」
カインは男達に聞いた。
「あぁ、何でも竜に手を出した冒険者がいるらしい」
「竜への不敬罪ってのがあって、その冒険者を国が捕まえようとしてるんだ」
男の一人が説明する。
「竜への不敬罪ですか…」
カインは初めて聞く罪だった。アーレンもである。
「竜への不敬罪なんて俺は初めて聞いたよ」
男は付け加えた。
「捕まえる為に間に合わせで作った罪なんじゃねぇかな」
「捕まえる事が目的だと俺は睨んでる」
別の男が口を挟む。
「竜を信仰している人達もいるから実際にあってもおかしくない罪だと思うぜ」
「問題なのはギルドで竜討伐の依頼が出されてた事だ」
更に別の男が口を挟んだ。
「俺達も冒険者なんだが、ギルドに国の人間がいて色々と調べられたんだ」
「竜に手を出した冒険者は剣士と魔法使いの二人組らしい」
最初の男が再び説明する。
「そうなんですね…ありがとうございます」
カインが礼を言うと男達は立ち去った。カインとアーレンは周りを確認する。二人の周りに人はいない。
「二人組の冒険者というのは僕達の事ですよね」
「だろうな」
カインにアーレンが答える。竜に手を出した冒険者、ギルドで竜討伐の依頼、剣士と魔法使いの二人組、情報が全てカインとアーレンの状況に合致していた。
カインとアーレンは考える。
「ギルドへは行かないほうがいいんでしょうか?」
カインがアーレンに問いかけた。
「行かないだけで平気なんだろうか…」
「国の人間がギルドにしかいないとは限らないんじゃないか?」
アーレンはカインに問いかけ返す。二人は意見を出し合い、そして対策を講じる。




