ギルド
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは二人でファイアンド国へ入国する。ファイアンド国から逃げた時に立ち寄った最後の町とは違う町に立ち寄った。
「アーレンさんは宿屋で待っていて下さい」
「そうだな、"剣士と魔法使い"よりは"魔法使い"のほうがいいだろう」
アーレンを宿屋に待たせてカインはギルドへ向かう。
ギルドに冒険者を取り調べる国の人間はいない。
「すみません、登録証のジョブを変更する事は出来ますか?」
カインは窓口で担当者に聞いた。
「出来ますよ、ただ変更には手数料が掛かります」
あっさりと担当者が答える。
「お金のない方もいるので初回の登録は無料なんですけどね」
「変更の場合は手数料が掛かるんです」
担当者は説明を加えた。
『あっさりしてるんだな…』
『こんな簡単に変更できるなら逆に何でジョブを登録するんだろう?』
「簡単に変更できるんですね」
カインは担当者に聞く。
「最初に登録する時も簡単に登録できましたよね?」
「ギルドにとっては依頼を果たしてくれればジョブなんて何でもいいんです」
「それに王族貴族と違って自身のジョブを勘違いしてる人も結構いるんですよ」
「剣が使えるから剣士かなと思ったら戦士だった、みたいな」
理由を担当者は答えた。ギルドが求めているのは依頼を果たすという結果だけである。
「そうなんですね…」
「じゃあ、何でジョブを登録するんですか?」
「特定のジョブである事が条件になっている依頼があるんですよ」
「このジョブの冒険者を紹介してほしい、と言われる事もありますしね」
担当者はカインの質問に答えた。
『理由があるならちゃんと確認したほうがいいと思うけど…』
『まぁいいか、変更できたほうがありがたいし』
カインは頷く。
「えっと、ジョブを騎士に変更して下さい」
「手数料はいくらですか?」
登録証を差し出しながらカインは担当者に聞いた。提示された手数料をカインは支払う。カインは無事に登録証のジョブを変更した。