上位魔人への対策
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
次の日になった。カインとアーレンは城の中にある部屋へ案内される。そこには数人の男がいた。
「王からポーションの用意を手伝うように言われました」
「私達も魔法使いです」
「カインさんから封印が回復できる魔法を学んで私達が量産したいと思います」
魔法使いの一人がカインとアーレンに伝える。
「宜しくお願いします」
カインとアーレンは魔法使い達に頭を下げた。
別の魔法使いが手に持った紙をカインとアーレンに見せる。
「既存のポーションと区別する為、こんな形の瓶にしたらどうでしょうか?」
魔法使いの見せた紙には瓶の絵が描かれていた。
『この形は…』
絵を見てカインとアーレンは一つの事に気付く。アーレンは防御魔法の魔導書を開いた。
「我に従う水と守と癒の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ魔力薬を与えよ、リフィル・ポーション」
アーレンは魔法でリフィル・ポーションを生成する。カイン以外は驚いた。
「複数の精霊を呼び出せるんですか!?」
「防御魔法の魔導書しか開いていませんよね?」
「瓶ごと作り出すなんて…」
魔法使い達が各々で自分の驚きを口にする。複霊魔法、魔導書と一つになった腕輪と剣、魔法の想像、についてカインとアーレンは説明した。
「そしてこれは魔力を回復させるリフィル・ポーションです」
「瓶の形が似ているんじゃないかと思います」
説明を終えてアーレンはリフィル・ポーションを見せながら指摘する。
「魔力を回復させるポーションなんてあるんですね、知りませんでした」
魔法使い達はリフィル・ポーションを知らなかった。残念ながらウィンダンド国ではまだリフィル・ポーションが普及していない。
「じゃあ…」
瓶の絵を見せた魔法使いが新たな瓶の絵を描いた。新たな瓶の絵には問題がない。カインも防御魔法の魔導書を開いた。
「我に従う水の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ水を与えよ、ウォータ」
「我に従う守の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ覚醒薬の瓶を与えよ、アウェク・ボトル」
魔法でカインは水の入った瓶のサンプルを用意する。
「こんな感じですよね?」
「はい、そうです」
絵を描いた魔法使いがカインに答えた。用意した瓶のサンプルによってアウェク・ボトルの瓶の形が決まる。
ポーションを用意する準備が整った。
「我に従う水と守の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ多くの覚醒薬を与えよ、メニ・アウェク・ポーション」
魔法でカインは大量のアウェク・ポーションを用意する。道具屋へ納品するのとは違って用意する個数に遠慮がない。
「我に従う水と守と癒の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ覚醒薬を与えよ、アウェク・ポーション」
魔法でアーレンもアウェク・ポーションを用意する。
「サネティ・ポーションもあったほうがいいですよね」
『こんなにポーションを生成して更に生成できるのか…』「…そ、そうですね」
魔法使いは驚きながらカインに答えた。
「我に従う水と守の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ多くの正気薬を与えよ、メニ・サネティ・ポーション」
魔法でカインは大量のサネティ・ポーションも用意する。
『私達が量産するように言われていたが…私達は不要だったかもしれない』
『いや、まだ仕事は残っている!』
魔法使い達は心が折れない。
「お二人はファイアンド国へ向かうんですよね?」
「ポーションは私達が国中に配備します、上位魔人の周知も任せて下さい」
「お願いします」
全員で上位魔人への対策を行った。誰も気を抜いていない。