護衛に囲まれた馬車
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
ナイトラン家へ向かうカインの後ろから馬車が近づいてくる。馬車は馬に乗った数人の護衛に囲まれていた。
『ぶつからないように気を付けて…』
カインは馬車と護衛を避ける。馬車や護衛からカインの姿は見えない。轢かれないようにカインが気を付けた。
突然、多くの盗賊達が馬車を取り囲む。
「命が惜しければ金目の物を出せ!」
盗賊が乱暴に叫んだ。
「また盗賊…」『もしかして魔人に操られているのかな』
カインが呟く。カインは過去に手が出せない。護衛達が盗賊達の対処をしている。しかし盗賊は人数が多かった。盗賊が扉を破って馬車に乗り込む。
『あっ!大丈夫かな…』
カインは心配している。馬車の中が騒がしい。
盗賊達は護衛達が倒した。しかし様子がおかしい。
『やっぱり何かあったのかもしれない…』
『…盗賊が馬車の中に乗り込んでたもんな』
『中に乗っていた人が怪我した…のかもしれない』
起こった事をカインは推測する。
カインは落ち着かない。
『見る以上の事は出来ない、見る以上の事は出来ない、…』
『…でも放っておけない!』
不可知の魔法をカインは解除した。
気休めにフードを被ってカインは馬車へ近づく。馬車は護衛達が取り囲んでいる。
「大丈夫ですか?」
カインは護衛達に声を掛けた。盗賊達に襲われた直後だった護衛達は身構える。
『警戒…するよな、盗賊に襲われたばかりなんだから』
『あっ!フード被っているのも怪しいか』
自分の怪しさにカインは気付く。
「僕は回復魔法が使えます、役に立ちませんか?」
カインはフードを脱いで顔を見せながら言った。護衛達は戸惑っている。
『もし回復魔法を使わなくてもいいなら使わないほうがいいんだろうけど…』
『怪我してるなら回復しないといけない』
『確認したかったんだけど』「仕方がないか…」
馬車の中を確認せずにカインは回復魔法を発動させた。
『これは見る以上の事だよな…』
『…魔法持ちになった経緯を知る事が出来てない』
『母さんの元気な姿も見る事が出来なかった』
辺り一面が光に包まれてカインは消える。馬車の中にいた人物も含め、その場にいた者達は怪我が完全に治っていた。馬車の中に誰がいたのかカインは知らない。
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