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準備
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインはナイトラン家へ向かって歩いている。歩きながら考えていた。
『家へ行ってから…どうすればいいんだろう?』
『…あれ?』
『過去なんだから大人の僕がいたら変だ』
『このまま家に行ったら知ってる人に会ってしまう』
『どうしよう…』
立ち止まってカインは考える。
「あっ!」
カインは解決策を思い付いた。
「我に従う風と光の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ不可知を与えよ、アンノア」
魔法でカインは自分の姿と音を消す。姿と音を消していればナイトラン家へ行っても問題ないと考えた。
「最初から不可知の魔法を使っておけば良かった」
カインは安心する。ナイトラン家へ行く準備を終えた。
『母さん元気にしてるかな?』
『何してるんだろう?』
母リリアナの事をカインは思い出している。自分の姿と音を消したまま再びカインは歩き始めた。