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盗賊
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
道具屋でポーションを納品して、まだ日が高いのでカインは城下町を出てナイトラン家へ向かう。
道を歩いていると見たくない光景がカインの視界に映った。遠くで盗賊の集団が馬車を襲っている。カインは無意識に現場へ向かう。
『あっ、でも…』
カインは風の精霊の注意を思い出した。足が止まる。
「そんな事は止めるんだ!」
別の集団が現れた。その集団は強い。先陣を切る一人が特に強かった。若き日の父ガルドである。
「父さん…」
カインは呟く。盗賊達はガルドと部下達によって瞬く間に捕らえられた。
盗賊達を捕まえてガルドは部下達とともにカインのほうへ近づいてくる。思わずカインは物陰に隠れた。
『父さん…』
若き日のガルドを見てカインは涙を流す。カインの近くを通り過ぎてガルド達は城下町のほうへ歩いていった。