103/139
風の精霊
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインは町を出る。周りに人はいない。
『魔人…店主は噂って言ってたけど本当だったら放っておけないよな…』
『魔人はどこにいるんだろう?』
道具屋で聞いた魔人の噂がカインは気になっていた。
「噂は本当だけどカインが手を出しちゃダメだよ」
「うわっ」
今までいなかった風の精霊がカインに話しかける。
「時の精霊に言われたでしょ、「過去で出来る事は見る事だけ」ってさ」
「でも魔人を放っておいたら犠牲者が増えると思うんだ」
カインは風の精霊に反論した。放っておこうとカインは思えない。
「確かに増えるね、でも魔人を討伐できるのはカインだけじゃないからね?」
「過去にいる魔人は過去にいる人間が討伐する、カインは我慢して」
風の精霊はカインを諭す。
「それとカインが余計な事をしても結果が戻るように修正されてしまうんだ」
『そうなのか…じゃあ我慢するしかないな』
風の精霊の言葉でカインは魔人の討伐を諦めた。