道具屋
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインは道具屋へ入る。
「いらっしゃい」
道具屋の店主が出迎えた。
「ポーションを納品しに来ました」
カインが宣言すると店主は驚いている。
「珍しいですね…」
「この国は魔法使いの方が少ないので納品に来る方なんて初めてです」
「納品できませんか?」
「いやいや、ぜひ納品していって下さい」
店主はカインに答えた。
カインは荷物から防御魔法の魔導書を取り出す。
「どのくらい納品できますか?」
「そうですね…」
店主は瓶を用意しようとする。
「あっ、瓶も魔法で用意できるので瓶は用意してくれなくても大丈夫です」
カインは店主を制した。
「そうなんですか、すみません初めてなので…」
「いえいえそんな…大丈夫です」
店主が恐縮するとカインも恐縮する。
店主は瓶の用意を止めた。
「ヒール・ポーションとハイ・ヒール・ポーションはいくらあっても困りません」
「それと最近、魔人が現れたという噂があって…」
「魔人が現れたんですか!」
店主の「魔人」という言葉にカインは驚く。
「いえ、あくまでも噂です」
「ただ用心の為に欲しがる方が多いんですよ」
「なのでサネティ・ポーションを納品してもらえると助かります」
驚くカインへ店主は静かに要求を伝えた。幻惑で人を操る魔人は存在が掴み難い。事実は分からなかった。
「何でそんな噂が流れているんですか?」
「最近、盗賊が多いんです」
「それと様子のおかしい盗賊がいるそうで…」
「人を操って盗賊をさせているんじゃないか、と言われています」
店主はカインに噂の詳細を教える。
「魔人が盗賊を…」
「もともとウィンダンド国は盗賊が多いんですけどね」
カインは店主から魔人が存在する可能性を知った。
防御魔法の魔導書をカインは開く。カインは要求されたポーションを大量に用意した。店主は驚いている。ポーションを納品してカインは道具屋を後にした。