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スライム

冊子にこの街の略地図も載っていたので、それを頼りに下水道の入口へと向う。

この街の下水道は2つに分かれており、一つは汚物などを処理施設へ運ぶ一般人立入禁止の物で、もう一つがこれから向う、処理が終わったり噴水や各貴族邸にある池などからの比較的綺麗な水を、王都の近くを流れる川に排水する為のものだ。


スライムとか言うなら汚物まみれっぽいイメージがあるけど、違ってて良かった。

てことを考えながら、下水道の入口までやって来た。〝下水道〟の名前から想像する悪臭はせず、水の流れる音が僅かに聞こえる程度だ。


「炎牙、氷雨」

『なんすか?』『はいであります』

「スライムは炎と氷に弱いらしい。君等(キミラ)の力、早速使わせてもらうよ?」

『『了解 (であります)!』』


二匹に声を掛けてから、中に入っていった。


・・・・・・・・・・・


「これか、スライムは」

間の前に現れたのは緑色をしたいかにもなスライム(多分、達?)。複数匹が混じりあって正直何匹居るのか分からない。

『スライムの結晶はこうやって纏まっていても、ちゃんと一匹につき一個残るので、大丈夫でありますよ』

『こう云う塊になっている時はまとめて燃やすのがいいっすよ。炎の渦で閉じ込めて周りから焼いていけば、飛び散る事もないっす』

「わかった」

二匹のアドバイスに従い、手のひらをスライムに向けて、(シュ)を唱える。

「“渦巻け”【フォイアー】」


ボウッ


と、音を立てスライム達を取り囲んで燃え上がり、その範囲を狭めていく炎。スライムは逃げる事も出来ず端のほうから徐々に燃えていく。


やがて、すべてが燃え、炎が姿を消した後には幾つかの結晶が残されていた。


「こんなもん?スライム討伐は炎か氷の初級が使えれば難しくないっての本当だったんだ」


やはり、最初の仕事だけあって少し緊張していたボクは上手く行き過ぎたことに拍子抜けして呟く。

「結晶は・・・一、二・・・五個か。後十匹だね」


結局下水道中を約2時間程歩き回り、最初の5匹を含め合計20匹分の結晶が集まった。

「さて、ノルマはクリア。一度ギルドに戻って、換金してもらおう」

『その後、すぐに次の魔物に取り掛かるでありますか?』

「いや、換金が済んだら、商店街の方に行って見よう。小ぶりのナイフとか、あれば色々便利だろうし。15匹+5匹で400ゴルト、銀貨4枚分か。まあ、物価とかも見たいしね。」

『ナイフ?何に使うんすか?』

「旅の途中で野宿になった時とか。刃物が1本あれば色んな使い方ができるよ。魚を捌く、とか」

『そか、そう云うのはオイラ達じゃムリっすね』

『切れないでありますからね』

「そゆこと。ナイフがスライムの分だけで買えたら、次の町を目指すのも有りだね。道中は街道沿いに歩くから他の二種類も狩れるだろうし。換金は次の町ですればいい」

『『わかった (であります)(っす)』』


どうせ、他には誰も居ないのだから、と双竜と会話をしながら元の入口まで戻ってきたボクは、途中ギルドへ寄り、スライムの結晶を換金してもらい、商店街へと足を運んだ。

夕也の持ち物:アイスレガース・フレアグローブ

所持金:400ゴルト(銀貨4枚)

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