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深夜__。

グラムヴィント様のいた籠の檻の跡地で白き竜とフリードさまを待っていると、やっと仕事を終わらせた彼がブリュンと一緒にやって来た。


「待たせたな。すぐに帰ろう」

「陛下たちは、大丈夫ですか?」

「話はつけている」


朝の出来事から、早く帰りたくてずっとソワソワしていた。一緒に帰宅することができることが嬉しくて顔が緩んでしまう。

それを見た腕の中にいた白き竜が急にバタバタとして鳴き始めた。


「キュウッ……キュウッ」

「どうしたのかしら?」

「一緒に帰りたいのか?」

「そうかもしれませんけど……連れて帰っても大丈夫ですかね?」


すでに、城にはこの子竜の存在がバレているから、勝手に連れて帰っていいのかと悩む。


「もう一度、陛下かエディク王子のところに行くか? 連れて帰ると言えば問題ないだろう」

「そうですね」


胸にしがみついて離れない白き竜を撫でると、フリードさまが急に振り向いた。


「……エディク王子」

「帰ると聞いたから、見送りに来た。邪魔だったか?」


この深夜の暗闇の中で、エディク王子の姿が見えるまで私は気付かなかった。フリードさまは随分鋭い。もしかしたら、グラムヴィント様の緋色の竜の眼のおかげだろうか……。


「リューディア。上手くやったな。陛下は感心していた」


やっぱり、あの時に褒美をくださいと言ったことは間違いではなかった。


「でも、エディク王子が私を部屋から出したことは薄々気付いている感じでしたけど、大丈夫でしたか?」


彼のしたことがバレているのでは、と心配して聞くと、エディク王子は嘲笑気味に話した。


『伯爵である将軍から降嫁した純潔のない妻を王太子である私が娶りますか? 私としては、今このような時期に醜聞などを世に提供するつもりはありません』


「陛下にそう言うと、溜飲を下げたよ。やはり純潔の有無だと話は早かったものだ」


何故かスッキリとしたようなエディク王子は、私の腕の中でしがみついている白き竜を見た。


「やはりリューディアに懐いているな」

「帰ろうとしたんですけど、泣かれてしまいまして……」

「ちょうど、白き竜を連れて帰っていいか確認に行こうと思っていたんですよ」


白き竜を撫でていると、フリードさまがそう話してくれた。


「かまわないぞ。どうせ、白き竜の世話はリューディアにしかできないだろうからな」

「よかったわね……じゃあ一緒に帰りましょうね」


白き竜に力を込めてそう言うと、嬉しそうに鳴く。


「では帰ろうリューディア」

「はい。エディク王子……失礼します」


フリードさまに白き竜ごと抱き上げられて飛竜のブリュンに乗ると、あっという間に羽ばたいて地面から離れていく。

それを、エディク王子はどこか嬉しそうに見送ってくれた。







最後までお読みくださいありがとうございます!

最後に広告下の【☆☆☆☆☆】を押して下さると執筆意欲が湧きます!

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[良い点] いい話だなぁ とても素敵なお話でした。白竜ちゃんの冒険みたいなほのぼの外伝読みたい感じ。 [気になる点] あと一話くらい続くかと思って更新楽しみだなぁと思ったら完結設定で困惑。 もう一押し…
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