第93話 私は望まれて生まれて来たのですか?
再会の後 リビング
倫side
風音「源本くん。月乃さん。風歌ちゃんをこれまで……こんなにも優しい女の子に……慈しんで育てて下さってありがとうございました。るなちゃんにも感謝の言葉しかありません……」
風音……
倫「風音……礼なんていいんだ……もう頭を下げなくて良いからな……それより……全く……俺の娘なのに、何で風歌とるなはあんなに真っ直ぐ育ったんだろうな? 二人は分かる?」
月乃「私が育てたからに決まっているじゃない……ってのは冗談で。倫にそっくりよ。曲がった事が大嫌いで 嘘付けなくて……私は、何とかなるでしょってタイプだけど……仁さんが倫と同じ真っ直ぐな人だったから。ふうちゃんもるなも、真っ直ぐに育ったのかしらね?」
倫「ああ、そうか……仁さんのお陰か……真っ直ぐ過ぎて、二人も時に苦しくなったりしてしまうんだろな……」
──
風歌『風音さん、パパ。一つ確認しても良いですか?』
泣きそうな表情……すがる様な……
倫『いいよ。風歌』
風音『何でも答えるわ。風歌ちゃん』
目を瞑り、胸に両手を当てて大きく深呼吸して
風歌『パパ……風音さんを今も愛していますか?』
倫『ああ』
風歌『風音さん……ママ……今もパパを愛していますか?』
風音『ええ……』
風歌『私は……望まれて生まれて来たのですか?』
両手を……指を絡ませて組んで、目をギュって瞑って……るなも同じポーズ……
答えなんかさ……分かるだろ? って思うんだけどね……
倫『赤ちゃんを授かったと聞いた時幸せだったよ……風歌は、望まれて生まれて来たんだ……風歌と一緒にいてあげなくてゴメンな。愛しているよ……』
風音『赤ちゃんを授かったと聞いた時幸せだったわ……風歌ちゃんは、望まれて生まれて来たの……風歌ちゃんと一緒にいてあげたかった……1日足りとも忘れた事等なかった……なんて勝手な事。って思うでしょうね……でも愛しているの……』
スーッて、静かに涙を流すと
風歌『私は、仁パパに、月乃ママ。倫パパ、風音ママに望まれて生まれて来た。愛されて育った……私のパパとママになってくれてありがとう……私もパパ達とママを達愛しています』
るな『ママの娘になれて幸せです。パパの娘になれて幸せでした。倫パパ…… 私のパパになってくれてありがとう。私もパパ達、ママを愛しています』
──
月乃side
思い出して泣いちゃうわよね……こんな嬉しい言葉言われちゃったら
倫「どうしてくれるんだよ? 涙腺が壊れて涙が止まらないじゃないか……」
元々涙もろいもんねぇ。倫は……
風音「 本当にお二人には感謝しかないわ……るなちゃんも愛しくてたまらない」
るな『風音さん! ふうちゃんのママなら私のママ。って思っても良いですか? 私とふうちゃんは姉妹なんです!』
親バカって笑われてもいいわ! 私の娘ながら、本当に素直な良い子に育ったわよね? るなは
風音「可愛い娘達を傷付けた人達は絶対に許さないわ……」
倫「風歌と、るなをあの二人より愛しているんだ俺は……」
風音ちゃんの言葉には共感出来るけど……
倫のは……涼くんと、英士くんへの対抗心よね?
気持ちは分かるけどね……
今迄、自分にだけ、相談してくれたり、助けを求めて来た娘達が……ね?
私だって……大切な愛しい娘達を守ってみせるわ……
よろしくお願いします