第90話 そんな俺と付き合いませんか?
心紀side
夏輝さんの悲しみの記憶
胸が痛くて苦しくて……
英ちゃんに
『冴多ちゃんは、本当は人見知りだもんね?』
そういつも言われてた
心紀「夏輝さん、俺も人見知りなんです。自分から積極的に人に声を掛けて 『仲間になって』って声掛けて。今でも人に声を掛ける時は勇気が沢山必要になる位……」
夏輝「冴多くん……」
心紀「俺と同じ様な思いを抱いている子供達や、人達の思いを聞いて手助けするのが俺の……」
夏輝「冴多くんは 本当は人見知りさんなんじゃないかなって感じてた。人見知りを克服しようと頑張って。真摯に患者さん達に向き合う冴多くんを尊敬してるの」
こんな嬉しい言葉はなかった……
『冴多くんは明るいね』
それが人の俺への評価
英ちゃんには すぐにバレたし
そういえばミクくんも
『冴多先生は本当は人見知りで、想いを伝えるの 苦手だから、るなちゃんとふうちゃんの気持ちが分かるんですよね?』
いつだったかのオンライン男子会でズバッと言って来たしね
心紀「夏輝さん。 俺全然まだまだみたいです。俺が人見知りだって皆にバレてるのに、今気が付いたから」
夏輝「 うふふ。冴多くんは人の心の痛みが分かるからこそ、人が『この人になら、話してもいいかな』って 思えるんだもの。 全然どころか凄い人なのよ。ちなみに源本さんは『冴多先生も、何かしらの想いを抱えているから人の気持ちに寄り添う優しさを持ってるんですね。きっと』って。ふうちゃんもるなちゃんも『冴多先生は、人の悲しみを自分の悲しみとして受け止める事が出来る人。冴多先生も辛い思いされた事があるのかしら。可哀想』 って同じ事言ってたわよ」
そうか
心紀「本当の俺を、俺として見てくれる人がそんなにもいるんだ……嬉しいな…… でも一番嬉しいのは夏輝さんに分かってもらえてた事ですからね?」
夏輝「もう! 冴多くんて意地悪な人だったのね! 恥ずかしい事言うのやめてよ!」
心紀「 これが本当の俺だ もん。俺は好きな娘 《コ》にしか意地悪は言わないから」
ポッ
漫画みたいに
分かり易いリアクションで
頬っぺたを真っ赤にした
夏輝さん
可愛いなぁ
心紀「夏輝さん、俺達お互いの事凄い分かりあってません?」
夏輝「そうね……」
心紀「 夏輝さんにしか意地悪な俺を受け止められないし。俺は夏輝さんにしか意地悪は言わない……だから……そんな俺と付き合いませんか?」
瞬間夏輝さんは
大号泣しちゃったんだ
夏輝「意地悪な心紀くんは、私しか受け止められないもん…… 意地悪な心紀くんでも傍に居て欲しいもん……ずっと一緒に居て……」
すげぇ破壊力だね……
そう来たんだね
クール
なんてイメージ
とんでもないじゃん!
超女の子らしい女の子だね
夏輝さん
心紀「うん。俺達ずっと一緒に居ようね!」
よろしくお願いします