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第40話 悩める父親

 心紀side


 紙芝居の日から数日後


 源本さんと約束した話し合いの形をどんな風に行うかな? って悩んだんだよね


 倫『るなちゃんも話したい事があるみたいで。一緒に良いですか?』


 って


 俺の指導係の夏輝さんに相談した結果さ。人見知りなるなちゃんは、自宅からだったら余り緊張しないんじゃないかな? 


 という事で、るなちゃん家で源本さんと二人、俺は夏輝さんと二人病院の応接室から話し合いをする事にしたんだ


 倫「本日はありがとうございます」


 いつも丁寧な源本さん。るなちゃんを交えて話す前に『個人的に話したい事が』……って何だろうって思ってたんだけど


 倫「冴多先生、子供達の成長は早いですね」


 心紀「はい?」


 ごめんなさい。だけど……意味が分からなくて変な声出しちゃったんだ


 倫「風歌と、るなちゃんに涼也くんはどこかお互いにお互いを思いやってか、いつも3人で居たんですよ。 それなのに紙芝居が終わった後、涼也くんは『 これからるなちゃん家に行って来ます』って言ったんです。風歌は紙芝居の前に、山乃くんと二人でリモートで話をしてたみたいですけど…… 私が応接室に入ろうとした時に、先に来ていた山乃くんのもの凄い大爆笑が聞こえて来たんですよね……あぁ、るなちゃんの想いが涼也くんに届いたんだなっていう感慨と、風歌の心の中に 風を吹き込んで来た男性がいるのか? っていう喪失感と…… 色々な想いに駆られてしまってね……」


 心紀「 ……」


 自嘲気味に仰られた源本さんに、何て返して良いか分からなくて俺はさ。情けない事に何も言って差し上げられなかったんだよね


 夏輝「 お父様として、叔父様としてはお寂しいでしょうけど…… 辛い思いをして来た彼女達にとっては…… 何か 運命が良い方向に変わるキッカケになるかもですね?」


 さすが。夏輝さん…… フォローして下さって


 倫「そうですね。大切な二人の娘達の幸せを……親として心から願いたいですから……」


 るな「娘?」


 その時、るなちゃんが自室から応接間に来て『娘』って言葉に反応して……


 そうか……るなちゃんは、小さい時にお父さんがご病気で亡くなられたんだっけ……


 倫「そう娘。るなちゃんは俺の可愛い娘だという思いが強いんだよ。仲良し姉妹の風歌とるなちゃん…… 俺が二人の娘を守ってやるからな? 心配いらないよ」


 るな「パパ……あ、ゴメ」


 倫「 謝る必要なんてないだろ? パパって呼んでくれないかな。るなちゃん」


 源本さんの右斜め前の

 一人掛けのソファーに座ったるなちゃん


 顔を覆って号泣しちゃって


 るな「 私ずっと、倫叔父さんがパパだったら……って思ってた……」


 心紀「るなちゃん……良かったね」


 倫「冴多先生、鮎川先生…… なぜ今この時……娘を抱き締めてあげる事さえ出来ないんでしょうね?」


 心紀「 本当ですね……」


 誰かと誰かのメンツとか……

 国とどこかの自治体のメンツとか……


 今の国難を乗り越えなければならない時にさ、 そんな事を争ってる場合じゃないじゃんね? 


 夏輝「 るなちゃん、本当は直に会いたかったわ。るなちゃん? 何か心に掛かった事があるんじゃないの?」


 るな「夏輝先生……」















よろしくお願いします

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