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第33話 なんたる失態

 オイラは応接室から……風歌ちゃんは病室 《個室》から……


 頑張った風歌ちゃん……可哀想に……泣き腫らした真っ赤な瞳


 英士「風歌ちゃん逢ってくれてありがとう」


 微かにコクンと頷いた風歌ちゃん


 あれ? オイラさ初めてみんなの部屋で


『初めまして。凄く寂しい曲だね』


 って言った時……


 2回目に


『犬の絵を描いてみて下さいませんか?』


『はい。描けたよ。ワンちゃん』


『上手ね』


 風歌ちゃんと初めて会話を交わした時も……


 そして紙芝居の前にリモートで画面越しにさ……風歌ちゃんが前髪をクイックイッって引っ張ってて


『風歌ちゃん? 何してんの?』


『前髪を切りすぎちゃったの』


 って


 話た時もさ……



 英士「風歌ちゃん? オイラさ名前を伝えたっけ?」


 プルプルってちっちゃく首を横に振った風歌ちゃん


 英士「マジか! なんたる失態……」


 思わず頭を抱えてそう呟くと


『うふふ』


 って声がしてさ


 顔を挙げると


《面白いですね、ヤマノエイシ さん》


 そう書いた紙をオイラに見せてた風歌ちゃん


 英士「ぇ? 何で名前?」


 風歌『『彼は、ヤマノエイシさんだよ』って冴多先生が……』


 文字がカタカナなのは、音だけで聞いたから漢字で何と書くのか分からないから……


 だって……


 なるほど……確かにね、オイラは風歌ちゃんについての 資料に目を通した時に、漢字で《桜王風歌》って認識したんだもんね……


 オイラは、紙に


《《山乃英士》です》


 って書いて風歌ちゃんに見せてさ


 風歌『山乃英士さん。お名前覚えました』


 って


 お茶目な風歌ちゃん……可愛い過ぎる……


 英士「風歌ちゃんに、俺の職業……伝えてなかったよね?」


 風歌『冴多先生のお友達だって聞いてます』


 冴多ちゃんは、オイラから伝えたいよね? って。黙ってて くれたんだよね? 優しいから……


 英士「もう、色んな事が、なんたる失態……だよ」


 自嘲気味に言って風歌ちゃんを見つめると、今度は微笑む事なく ジっとオイラの事を見つめていた風歌ちゃん……


 英士「オイラは、ライターの仕事をしています。冴多ちゃ……冴多先生よりお話を頂きました。お父さんの源本さん、御厨くん、るなちゃんの共通の思い。介護施設で起きた事をうやむやにしたく無いという思いに。風歌ちゃんの思いに……協力したいと思いました」














よろしくお願いします

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