第20話『勇気の石』①
みんなの部屋の子供達の、今か今かと。ワクワクに満ちた顔
それを見守る冴多ちゃん、緊張してるみたいだ。今にも泣き出しそうな顔のるなちゃん。緊張感を漂わせ祈る様な顔の御厨くんと、源本さん……
オイラも 、凄い心臓がバクバク鳴ってんの
風歌ちゃんも、 今の表現を全部含めたような複雑な顔しててさ
何かあった時の為に……と風歌ちゃんの側についている
滝田『それでは、 紙芝居を始めたいと思います』
風歌ちゃんの主治医の滝田先生の合図
風歌ちゃんは、 心を落ち着ける為かな? 目を瞑って胸に両を当てて小っちゃく息を吸って、息を整えると
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『勇気の石』
少し震えた声音で、けど凛とした表情で、紙芝居読み始めたんだ……
「ヴィントと、ルーナと、ベルクの 3人の兄弟が仲良く公園で遊んでいます。 みんなをまとめる頼りになる、一番上のお兄ちゃんのヴィント。 ちょぴり恥ずかしがり屋の、心の優しい真ん中のルーナ。 ちょっぴり大人しい、まだ小っちゃな心優しいベルク。 3人の大好きな犬の、ブーリャも一緒です」
「前の日にね、 雨が降ったんです。 だからね。おっきなおっきな水たまりがいくつもあって、ヴィントも、ルーナも、ベルクも お揃いの虹色のレインコートと、 長靴を履いて、チャプチャプってかわいい音を鳴らしながら、 水たまりの上を小っちゃくポンと飛んでみたり」
ポチャン
ヴィント『キャハハ』
ポチャン
ルーナ『キャハハ』
ポチャン
ベルク『キャハハ』
ヴィント『たのしいね』
ルーナ『たのしいな』
ベルク『たのちいね』
ブーリャ『ワンワン』
「楽しそうに プーリャが走り回っています」
ヴィント『ブーリャ、お水でボクたち、うまく走れないの。まって』
「お兄ちゃんの、ヴィントが 叫びました」
ルーナ『あ!』
よろしくお願いします