第15話 反則的な可愛さだよ…
遂に来た、紙芝居の日
知らない人が見たら、不審に思う位にオイラは朝からテンションがおかしかったの
心紀『子供達の体調一番に考えてさ。比較的体調の安定した子供達5人にね。 みんなの部屋で紙芝居を見てもらって。10人の子供達には自室で、タブレットで見て貰う事にしたんだ。 他の子供達は体調の良い日に改めてね』
約束の時間の、1時間も前に病院に着いたオイラ。笑われたよ
応接室に通されてさ
『リモートで見て頂く事になります』
って伝えられたんだ
風歌ちゃんは、別の応接室で紙芝居を読む事になっているって
冴多ちゃんは
心紀『俺は小児病棟の先生達と一緒に、みんなの部屋の子供達を見守るんだ』
まだ、時間があるという事で、リモートではあるけれど風歌ちゃんと話をしてもいい。と主治医の滝田先生が許可して下さってさ
オイラ、 本当に感謝してマジで嬉しかったんだ
──
そして、風歌ちゃんとオイラ。リモートで画面越しにさ……
画面に映った瞬間、何故か風歌ちゃんは前髪をクイックイッって引っ張っててさ
英士「風歌ちゃん? 何してんの?」
サプライズ……
風歌ちゃんには内緒にしたからね……
画面にさ、急にオイラが映ったんだもん。右手で前髪を引っ張る体勢のままフリーズしちゃった風歌ちゃん
大きなまぁるい、美しい瞳をますます大きくして。今までで一番分かりやすいリアクション示してくれた風歌ちゃんに
オイラは嬉しくなっちゃって
前髪から手を離して、少しうつむき加減に微かに頬を染めて……
風歌『前髪を切りすぎちゃったの』
その答えが……その時の風歌ちゃんが凄い可愛く見えて……
けどオイラ、なんだか急に
面白いなぁって、笑いたくなっちゃって……
英士「アハハハハハ!」
っ、ヤベ
フイに笑いを引っ込めて、風歌ちゃんを見ると 微かに頬を染めたまま俺を見つめていて……
風歌『紙芝居見に来て下さったの?』
うん。
オイラは頷いて
風歌『ありがとう』
って言ったんだ
風歌ちゃん……
反則的な可愛さだよ……
よろしくお願いします