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第九話 初めての魔法使用

もう一話のアップになります。

もう少ししたら、修司を見放した国の現状もアップしたいと考えています。

 シュートレラや魔法、冒険者について調べ物をした次の日修司は朝食を食べた後、メルリーに連れられ訓練場に向かっていた。訓練場は城の直ぐそこにあり大きさは東京ドーム半分程ありそうな広さだった。訓練場内ではいくつかの班に分かれて騎士の甲冑を着た人が訓練をしていた。


「こちらが訓練場でなります。見ての通り城の騎士が訓練に使用しております。広さ故に修司さんが魔法の練習の為の場所も確保できると思います」


「ありがとうございます。魔法を放ってこの訓練場が壊れるなんてことは?」


「それでしたら、城抱えの魔法師が魔法壁を付与しておりますの余程のことが無い限りは心配はないかと」


「分かりました。ありがとうございます」


「いえ。騎士達には事前に伝達しておりますので存分に練習なさってください。もし魔法について分からないことがあれば、私に言って頂ければ魔法師に会えるように調整しますので」


「何から何まですいません」


「お気になさらず。それでは私は今日予定がありますので」


 メルリーは一度頭を下げてから訓練場から出て行った。


 修司はその姿を見届けると自分の訓練に入ろうと振り返ると、訓練場の騎士が全員こちらを見ていた。修司がその目線に気づいたら騎士全員が目をそらし訓練に戻った。


「(何だよ、物珍しい者扱いかよ)」


 自分が珍しい者扱いされていることに少し疑問と苛立ちを感じつつ自分の魔法の練習を始めることにした。使える魔法が光のみなので、光魔法の初級から始めることにした。


 魔法は体内にある魔力を使うことで使用できる。使用する際は魔法名を唱えることで魔法を具現化する。スキルにより高速使用が可能となっている。高速使用は魔法名を短縮して使用できる。


「まずは初級から行くか。・・・ライトボール!」


 初級魔法ライトボール、光の球を生成し任意の軌道を描きながら飛ばすことが出来る。物や人に当たっても爆発するようなことは無い。消費魔力は5で使えるお手頃な魔法である。


 修司が魔法名を唱えたことにより、目の前に直径20cm程の光の球が出現した。修司はそれを自分の周りを不規則に飛ばしてみた。


「思い通りに飛んでるな。適当に壁にぶつけてみるか」


 修司は光の球を近くの壁に向けて放った。光の球は一直線に壁に向かい当たった。球は壁に当たるとそのまま消失した。


「よし、次に行くか」


 上手く魔法を使えたことで修司は気分も上がり残りの魔法を使うことにした。




「・・・ふう。少し休憩するか」


 一時間程、魔法を色々使っていた修司は一度休憩をとることにした。修司が今までに使った魔法はライトウォール、ライトランス、ライト、ライトアローと初級魔法を順に使っていた。初級魔法は一律消費魔力5で使える。中級魔法は20、級魔法は40上級魔法60と必要な魔力は上がっていく。


 ライトウォールは最大幅5m、高さ5mの光属性の魔法壁を目の前に出現させる。物理、魔法両方を止めることが出来るが共にそれ以上の威力で攻撃されると貫通される。


 ライトランスは最大長さ5mまで調節でき、投擲できる他に持って振り回すことも出来る。


 ライトは照明用の魔法で、明るさも調整できる他自在に浮かせて飛ばすことも出来る。


 ライトアローは矢の形をした物で長さ1m程ある。自分の周囲に浮かせて任意の方向に飛ばせることが出来る。


 修司は最初、一個ずつ生成していたが慣れてくると2個、3個と量を増やしていた。ライトボールは一回の発動で10個を同時に生成、操作をしていた。初級魔法の消費魔力は5だが、数を増やせば数×5になるが修司の魔力から考えるとまだまだ余裕の状態だった。なお、一度に10個も出している姿を見ていた騎士たちは少し驚いていた。


「次はどうしようかな。まだ試していない初級魔法はあるけど中級魔法にもてを出してみるか?」


 まだいくつか初級魔法はある中で、既に5つを試して成功していることから次は中級魔法に手を出そうかと考えていた。


 その後5分程休んだ修司は魔法の練習を再開した。


「ライトシールド!」


 修司が右手を地面に水平上げライトシールドと唱えると目の前に正六角形の白色の物が出現した。右手を横に移動するとシールドも移動した。そのまま右手を色んな方向に動かすとシールドもそれに付随して動いた。初級のライトウォールとの違いは、大きさこそライトシールドの方が小さいが出しながら動かせること、ライトウォールは1つしか出せないがライトシールドは複数枚だせること。これだけ聞けばライトシールドだけ使えばいいと思うが、消費魔力と規模の関係から状況次第でライトウォールの方がコスパがいい場合もある。


「ライトウォールと使い分けが最初は大変かもな。魔力の多さに物言わせてライトシールドだけ使うってのは論外だよな」


 いくら修司の魔力が多いと言ってもそれは最終的な話であり現在も一般的に比べ高いとはいえ魔法のみが戦闘に仕える唯一の方法なので無駄遣いはできない。


「効率的な方法とかは後々考えるとして次の魔法は何か物か人がいるな」


 修司が次に使おうとしている魔法には対象が無いと効果が分からない物だった。少し考えた後、修司は向こうで訓練をしている騎士に話しかけることにした。丁度休憩をしていた騎士の方に歩いていき、座って飲み物を飲んでいた騎士に話しかけた。


「あの、すいません」


「・・・何だろうか」


 修司が話しかけた騎士は見た目30代後半に見える男性で、今は甲冑を外しており筋肉隆々で髭が少し伸びていて絵にかいたようなガタイのいいおっさんだった。


「あの、余ってる剣とかなんか大きな物とかありせんか?」


「剣なら余ってるが何に使うんだ?」


「えっと魔法の練習に必要で」


「使うのはいいが壊すなよ?おい、余ってる剣を一本持って来てくれ」


 目の前の騎士は他で休んでいる騎士に声をかけ剣を持ってこさせた。


「クラエル団長、剣をお持ちしました」


 さっき声をかけられた騎士が一本の剣を持ってきた。


「すまない」


 騎士から剣を受け取ったクラエルと呼ばれた騎士は修司に剣を渡した。


「ほら、何に使うか知らんが大事に使えよ」


「ありがとうございます。えっとクラエル団長さん」


「クラエルで構わん。昨日メルリー王女から話は聞いている。異世界から来た小田修司様だと」


「様とかつけなくていいですよ。俺はクラエルさんって呼ばせてもらいます」


「話は聞いていると思うが、君は俺より立場は上だ。君が俺を何て呼ぶかは自由だが君を無下に扱うことはできん」


「呼び方位構いませんよ。それに僕が大丈夫って言ってますし。様って呼ばれる方が何か堅苦しくて嫌なので」


 クラエルは修司の言葉を聞き、1つため息をした所で再び話しかけてきた。


「では、修司君と呼ぼう。俺への呼び方はそれで構わん」


「ありがとうございます。剣はまた後で返しますので」


 修司は一度頭を下げてから元居た場所まで戻った。クラエルはその後ろ姿を見ながらまた一度ため息を吐いていた。


 元の場所に戻った修司は近くの壁に借りた剣を立てかけ数歩半れた場所で魔法を使う準備をした。右手を上げ剣に向けた。


「ライトバインド」


 修司が魔法名を唱えると、光の輪が剣を囲う様に現れた。魔法が無事発動したのを確認した修司は剣に近づき持ち上げようとした。だが、剣は光の輪に囲われたままそこから動くことがなかった。


 ライトバインド、対象を光の輪で囲い動けなくする。拘束度合いは魔法使用者と対象の魔力量に依存する。魔力差が小さければ拘束時間が短くなり、逆に魔力差が大きければ拘束時間が長くなる。


「うん、成功してるな」


 中級魔法も危なげなく成功して修司としてはシュートレラに来てから一歩前進したと感じていた。


「バインドか、これはかなり使えるな。・・・バインドで相手を捕らえて砲撃とか撃ってみたいな~って砲撃っぽい魔法はないよな。・・・後でもう一回調べてみるか」


 修司が日本にいた時一番ハマったのが小学生が魔法少女になって、空を飛びながら魔法弾を撃ったりバインドで拘束し砲撃魔法を撃って相手を殲滅するアニメだった。そのアニメのせいと言うべきかおかげと言うべきか少し魔法を使った戦闘に対して憧れや理想が出来ていた。


「もし使えるなら、学園大会の時にクージセル相手に使いたいな。その時のカス王とクズ女神の顔を見てみたいもんだ」


 そして、こっちの世界に来た影響もあり少し性格が黒くなっていた。


「まあ、それはこれからの向こう次第だな。昼からは別のことをしたいから後もう一個何か試してみたいな」


 修司は昼から別のことをする予定を立てていた為、午前の間にもう一つ違う魔法を試そうと考えていた。


「中級もまだあるけど、どうせなら上級が出来るか確かめるか?使う魔法さえ選べば周りに被害も出ないだろ」


 光属性の上級になるとバフ効果の魔法もあり、それなら周囲に影響を与えないと考えた修司は上級魔法を練習することにした。


「確かこれは術者本人にも効果があるって書いてたから使ってからステータス確認もしてみるか」


 そう言って修司は両手を真横に伸ばした。

 修司の体が白色の光に包まれ始めた。


「ホーリーサークル」


 魔法を唱えると修司を中心として足元に半径10mの円形型魔法陣のような物が現れ、円形の円周から上に薄い白色の膜が出現した。


「ステータスオープン」


 ステータス

 小田 修司 16歳

 体力:200

 魔力:1500

 筋力:35

 耐久:45(+500)

 機敏:35

 知能:70

 器用:25

 運:300

 適正魔法数:4

 最大魔力保有量:1000000

 適正魔法:光

 スキル:異世界言語 精霊召喚 精霊契約 探知 契約精霊能力吸収


 修司がステータスオープンと唱えると、目の前にステータス画面が現れた。耐久値にバフがかかっている状態だった。


「すげえ、500も加算されてるのか。これってどれくらいの攻撃に耐えるんだ」


 ホーリーサークル、術者を中心として10mの円形魔法陣が出現し術者が認める範囲内の者には耐久+500のバフがかかる上級魔法。なお、魔法分類として光にはアンデッドやゴースト系に関して強い威力を持ちホリーサークルで言えば範囲内にその魔物がいれば余程の上位の魔物でなければ一撃で滅ぼせる。


「上級魔法も上手くいったし、とりあえず昼飯貰いに行くかな。あ、剣返さないと」


 魔法の練習が終わった修司は、壁に立てかけていた剣をクラエルに返しに行きそのまま訓練場を後にした。

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